執筆に10年をかけた荒俣宏氏の大作「世界大博物図鑑」が電子書籍に。

2009/08/10 05:13 Written by Narinari.com編集部

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作家や博物学の研究家、タレントなど、多方面で活躍する荒俣宏氏。その博識と穏やかな口調から、テレビでは“ご意見番”としての出演が多く、バラエティ番組などに知的なエッセンスを加える役割を担っているおなじみの存在だ。そんな荒俣宏氏がライフワークとして取り組み、1987年から1994年にかけて平凡社から刊行された「世界大博物図鑑」が電子書籍化され、8月7日から「eBookJapan」で販売が始まった。

「世界大博物図鑑」は荒俣宏氏の数ある著作の中でも特に執筆に時間を費やした作品で、その期間は実に10年間に及ぶ。1989年には第2巻「世界大博物図鑑 魚類」がサントリー学芸賞を受賞(社会・風俗部門)しており、同賞受賞時に評論家の向井敏氏は「常識をくつがえした」「眺めているだけでも楽しい」と絶賛。学者ではなく、研究家によるアプローチを高く評価していた。

しかし、第1巻〜第5巻+別巻2冊の全7巻は、1冊あたりの価格が12,233円〜18,350円(税込み)とかなり高額。そのため、全巻を揃えるのは大きな買い物だった。ただ、今回の電子書籍化では定価の4分の1以下と、かなり購入しやすい価格に抑えられている。

電子書籍版は書籍版の全7巻を各3分冊し、全部で21巻に。レイアウトはすべて書籍版をそのまま再現している。価格は各500〜1,200円(税込み)。

なお、今回の電子書籍化にあたり、荒俣宏氏は次のようなコメントを寄せている。

「ほぼ十年をかけて完結させた『世界大博物図鑑』シリーズ全7巻は、高価ですが膨大な書物になりました。けれども、わたしにはまだ不満が残ったのです。こんなにおもしろい博物図鑑なのに、値段が高すぎて若い人たちには買ってもらいにくい。ところが近年大発展した電子技術が、この大問題を解決しました。イーブック イニシアティブ ジャパンが、若い世代にも購入できる値段で『世界大博物図鑑』をよみがえらせてくれたのです。どうか、この機会に、大胆で自由な発想を期待される若い人たちが、古くて新しい刺激にあふれる本書を大いに活用してくださることを、望みます」。

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