絶叫マシンに恋愛感情抱く女性、いまの野望はマシンとの“結婚”。

2009/08/06 13:10 Written by Narinari.com編集部

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愛の形にはいろいろあるが、恋愛感情は、基本的には人間に対して向けられるもの。しかし、米国に住む33歳の女性にとって、恋愛の対象は人間ではなかった。この女性が恋に落ちたのは、なんと遊園地にある絶叫マシン。想いが膨らんだ女性はいま、「自分の名字を絶叫マシンメーカー名に変えて結婚をする」と話しているという。

この女性は、米ペンシルバニア州に住むエイミー・ウルフさん。彼女が恋をしてしまったのは、自宅から80マイル(約130キロ)離れた遊園地「ノーベルズ・アミューズメントパーク」の「1001 Nachts」という絶叫マシンだ。日本で言うところの“魔法のじゅうたん”のようなアトラクションで、定員20名ほどの箱型の乗り物が円を描くように回転する。

ウルフさんがこのアトラクションに初めて出会ったのは、今から20年前、13歳のときのこと。「すぐに、精神的にも性的にも魅き付けられるのを感じた」(英紙サンより)そうで、10代の思春期に周囲の友人が異性に熱をあげるのを横目に、ウルフさんは「1001 Nachts」を忘れられぬ日々を送ったという。しかし、その感情は普通の人から見たら「おかしい」ことも認識していたウルフさんは、胸の内を誰にも話すことはなかった。

時は流れ、出会いから10年後。長きに渡りその思いを忘れることのなかったウルフさんは、再び「ノーベルズ・アミューズメントパーク」へと向かい“愛を告白”。以来、年10回のペースで同パークを訪れ、そのたびに「1001 Nachts」を30回も楽しんでいるそうだ。現在、教会のオルガン奏者の職を失ったウルフさんは、時間に余裕はあるものの、移動距離の問題でなかなか訪れることができないという。

しかし、その愛情はハンパなものではない。距離は離れていても常に身近に感じられるようにと、ウルフさんは「1001 Nachts」の予備ボルトとナットを持ち歩き、自宅の寝室には、横になっている時にも目に入るようにと、天井に「1001 Nachts」の写真を貼っている。さらに、サン紙は「信じられないことに、彼女はマシンの写真で性的欲求も解消している」とも伝えており、彼女にとって「1001 Nachts」はまさに恋人そのもの。また、同紙はこうしたウルフさんの感情について、人ではなく、物に対して愛情を向けてしまう「対物性愛(objectum sexuality)」の症状と分析している。

通常では考えられないような恋愛をしているだけに奇異の目で見られがちだが、「私は誰も傷つけていないし、どうしようもないの」と話すウルフさん。遊園地での行動もいたって理性的だ。

たとえ「1001 Nachts」に他の人が乗っていても、「精神的、身体的に一緒に満足しているという気分を共有できる」ため、他者への嫉妬を感じるわけではないらしい。また、その感情は仕事面では障害になってしまったものの、家族や友人、そしてパークのスタッフも理解しており、閉園後に彼女がマシンに近づくことも許しているそうだ。

周囲の暖かい支えもあり、順調に想いを寄せ続けているウルフさんの次なる野望は、「1001 Nachts」との結婚。何をもって結婚とするのかは判断が難しいところだが、結婚ができたら、名字を「1001 Nachts」の製造メーカーである“ウェーバー”に変えると宣言している。果たしてその思いを遂げることはできるのか。ウルフさんの今後が気になるところだ。

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