米国民の3人に1人が日常的に居眠り、男性や低所得者で高い傾向に。

2009/08/03 20:14 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


寝不足の日や退屈な授業、仕事の最中など、どこからともなく襲ってくる睡魔。目撃されればたちまちダメ学生、ダメ社員のレッテルが張られそうな居眠りだが、米国では成人の3人に1人が居眠りをするという調査結果が明らかになった。ただ、性別や人種、年収など条件によって差も見られるようだ。

この調査は、米民間調査機関ピュー・リサーチ・センターの社会学・統計学部門が、全米の成人(18歳以上)1,488人を対象に行ったもの。居眠りについてさまざまな質問を行い、その回答を対象者の年齢や性別、人種や年収など条件別で詳細に算出、居眠りしやすい人の傾向を浮き彫りにしている。

その結果、調査時点より過去24時間以内に居眠りをした人は全体の34%で、男性は38%、女性は31%。年齢別では79歳以下が総じて30%台前半なのに対し、80歳以上は52%と突出している。また、18〜49歳の男女はそれぞれ35%、34%と平均的だが、50歳以上の男性は41%。逆に50歳以上の女性では28%と、男女間で大きな差が出る結果となった。ピュー・リサーチ・センターは「男女差は各年代で見られる」としているが、50歳を境にこの差が顕著になったと報告している。

人種差も明確で、白人とヒスパニックがそれぞれ32%、33%だったのに対し、黒人は半数だった。年収別では、7万5,000〜9万9,000ドル(約710万〜940万円)の層が21%で最も低く、年収が下がるごとに割合は増加。しかし、年収3万ドル(約285万円)で42%だったのに対し、10万ドル以上(約950万円)でも33%と逆に増えている。

調査では夜の睡眠との因果関係についても着目しており、全体の25%、居眠りをした人の41%が「昨夜は寝つきが悪かった」と回答。性別では男性22%、女性29%だったが、居眠りをする割合は男性のほうが高かった。「寝つきが悪い」と答えた人の条件別グラフでは、年齢30〜49歳、年収3万ドル以下が他の層に比べて少し数字が高い。寝つきが悪い人の中で資産状況に満足している人が19%だったのに対し、不満な人は倍以上の40%となっている。

また、幸福度を聞いたところ、「非常に幸せ」が18%、「幸せじゃない」が46%で、ピュー・リサーチセンターは「不健康さが居眠りを取る要因になりやすい」と指摘。精神的側面も居眠りを誘発する原因の1つと分析し、閉塞的な現代社会も少なからず居眠りに影響しているようだ。

しかし、この調査結果を伝えた米メディアは、「昼の居眠りは一般的」(米専門誌ライブ・サイエンスより)など、居眠りに対して肯定的な論調が多数を占めている。米紙ロサンゼルス・タイムズは「20〜30分の居眠りは気分や注意力、パフォーマンスの向上に役立つ」とする米国立睡眠財団の見解を掲載。同財団は「アルバート・アインシュタインやトーマス・エジソンだけでなく、ジョン・F・ケネディやロナルド・レーガンなど歴代大統領も居眠りを習慣にしていた」としている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.