男性5人と重婚していた女性に執行猶予判決、元夫の家族らは怒り収まらず。

2009/07/30 15:06 Written by Narinari.com編集部

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今年6月、英メディアの注目の的となったエミリー・ホーン。さまざまな偽名を使い分けながら、1度も離婚をせずに5人の男性と結婚を重ね、「重婚」の罪で起訴された30歳の女性だ。ホーンは18歳だった1996年に初めて結婚した後、姿を消しては新たな男性と出会い、結婚を重ねてきた。過去にも「重婚」の罪で6か月投獄されたことがあるのだが、今回の裁判ではホーンの精神状態を考慮して、禁固10か月・執行猶予2年の判決に。しかし、ホーンがこの判決に喜ぶ一方で、元夫の家族らは「人生を壊された」と、怒りが収まっていない。

ホーンは18歳で、高校の同級生だった陸軍兵士と結婚したものの、間もなく夫が5か月の海外勤務となり、戻ってきたときにはホーンは失踪、2人の関係は終わった。しかし、ホーン不在で書類の手続きができず、結婚状態が続いていたという。ホーンは、1999年には銀行員の男性と2度目の結婚、それも長く続かず2000年にはウェブデザイナーの男性と3度目の結婚をしている。しかもこの時、2番目の夫を「友人」として3番目の夫に紹介。3人で奇妙な同居生活を過ごした。ところが、ホーンはその2人を残してまた失踪、2002年に4人目の鉄道車掌員と結婚している。

不思議なのは、それほどまでに結婚を重ねてもバレることがなかったのか、ということ。実際には過去の結婚がバレたこともあったようだが、その事実を知られても、言葉巧みに新しい男性の追及を交わしていた。しかし、4度目の結婚でも別の男性を求めて家を出たホーンに対し、4番目の夫は戻るよう説得しても無理と分かると警察へ通報。この結果、ホーンは2004年に6か月投獄されることになったのだが、それにも関わらず、4人の男性との離婚手続きは進めていなかったようだ。

そして出所後、売春婦として働いていたホーンは、2007年に5番目の夫と結婚。ところが新婚旅行中にホーンが重婚状態であると男性に告白、しばらく生活を続けたものの、自責の念に駆られた男性が警察へ通報し、今回の裁判となった。この事件が今年6月に明らかになると、英国内では「重婚とは、まれな話」と驚きをもって伝えられ、今回の判決に注目が集まっていた。

判決を言い渡した裁判官は、ホーンの行動を「結婚制度を揺るがす」としながらも、双極性障害(躁うつ病)と診断した精神鑑定結果を採用。改善の兆しが見られる点も考慮して、執行猶予を付けたという。この判決を受けてホーンの弁護士は「ホーンは反省を見せている」としながらも、「精神的な問題も抱えている」ことを強調。「今までの結婚で、彼女も財政面や感情面で犠牲になった」と話し、ホーンの状態にも理解を求めている。

しかし、当の本人はメディアが「6人目の犠牲者」と揶揄する現在の恋人と裁判所に登場。判決後には「自由の身になってうれしい。今度は離婚を成立させる番ね」(英紙ガーディアンより)と語っている。

一方で5番目の夫、アシュリー・ベーカー氏の家族は判決に納得していない。「ベーカーの人生を壊された。彼は彼女を愛していたが、彼女に操られていた」と兄弟がコメントすれば、母親はホーンを「嘘つき」とはね付けたという。たとえ精神的な問題を認めて裁判が結審しても、人生を狂わされたという男性やその家族の怒りが鎮まるには、長い時間を要しそうだ。

☆エミリー・ホーンの人生
1996年(18歳)高校時代の知人と結婚(1人目の夫)。
1996年(18歳)夫の海外勤務中に失踪。
1998年(20歳)銀行員とバーで出会う。
1999年(21歳)銀行員と結婚(2人目の夫)。
1999年(21歳)仕事先のノルウェーで不倫。
1999年(21歳)もう一人の銀行員と婚約(後に破局)。
2000年(22歳)ウェブデザイナーと結婚(3人目の夫)。2人目の夫と3人で生活。
2002年(24歳)2人の夫を残し突然の失踪。
2002年(24歳)鉄道車掌と結婚(4人目の夫)。
2002年(24歳)再び失踪。
2004年(26歳)重婚の罪で有罪。6か月服役。
2005年(27歳)売春婦となる。
2007年(29歳)5人目の夫と結婚。
2008年(30歳)夫の通報により重婚の罪で逮捕。
2009年(30歳)禁固10か月・執行猶予2年の判決。6人目のパートナーと交際中。
※年齢は推定。

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