1食に約4日分のナトリウムも、「塩分が多すぎる」とファミレスを提訴。

2009/07/27 20:30 Written by Narinari.com編集部

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ナトリウムといえば、食塩(塩化ナトリウム)に含まれる元素。食用品の栄養表示ではこのナトリウムの量で、いわゆる「塩分」がどれだけ高いかの基準にしています。

そのナトリウムですが、米国の疾病管理センター(CDC)は、成人が一日に摂取するべき量は1,500ミリグラム以下が好ましいとしています。体に重要な電解質であるナトリウムイオンのバランスが崩れると、生死にも関わってくるため、その摂取量には注意を払う必要があるのです。

特に高血圧の人々にとって、ナトリウムの取り過ぎはマイナス要素。しかも食べ物によっては、気付かないうちに大量のナトリウムを摂取してしまうことも少なくありません。家で食事をするなら自分で塩加減を調節できますが、外食の場合はそうはいかない場合も多いでしょう。

米国はニュージャージに住むニック・ベネデットさんも、高血圧のため塩分控えめの食事を心がけていました。自分の家ではほとんど食塩を使わない食事をしているそう。しかし、外食の時には、さすがに塩分ゼロというわけには行きません。レストランが表示している栄養素を頼りに、なるべくナトリウム量の少ないメニューを選ぶよう努めていました。

そんなベネデットさんがある日、ファミリーレストランの栄養表示一覧を手に入れたのですが、そこに記されていた事実に驚いてしまったそうです。

「一食分のサンドイッチだけでも、私のような高血圧患者が取るべき量のほぼ一日分のナトリウムが含まれていたのです」

しかし、一日分ならまだマシな方です。米デニーズの「Denny’s Meat Lover’s Scramble」という朝食メニューは、卵2個、ベーコン、ハム、ソーセージ、チェダーチーズ、ハッシュド・ブラウン、さらにパンケーキが2枚付くボリュームタップリな朝御飯なのですが、これにはなんと、5,690ミリグラムものナトリウムが含まれていました。

「これは健康に良いはずがない」と憤慨したベネデットさんは、食品の安全性を訴える非営利団体と共に、とうとうデニーズを提訴してしまったのです。同社がメニューにナトリウム成分の数値を明確に表示し、同社の食べ物が「健康に悪影響を与える」と警告する文章も明記すること。この二つを裁判で争っていくのだとか。

塩分が気になるならデニーズで食事をしなければそれで解決するのでは? と誰もが思うところですが、そうしないところがなんとも米国的な話です。

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