上海の「倒壊マンション」見学ツアーを販売、旅行社への反響は上々。

2009/07/23 13:28 Written by Narinari.com編集部

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6月27日の早朝に中国・上海で発生し、世界中に衝撃を与えた13階建てマンションの倒壊事故。建設中のマンションが根もとから倒れた原因は、手抜き工事以外にも様々な要素が絡んでいるようだが、死亡した作業員の遺族が政府役人ともめたり、マンション購入者の代金返還請求問題が相次いだりと、事態収拾までにはかなりの時間を要する気配だ。そうした中、中国・遼寧省瀋陽のある旅行会社が上海“倒壊マンション”見学ツアーを販売し、話題となっている。

“倒壊マンション”見学ツアーを販売したのは鳳凰旅行社。ツアー名は「華東5都市と鳥鎮を巡る6日間の旅」だ。同社サイト上に掲載されたツアー日程によると、瀋陽を出発した初日は上海、2日目は南京、3日目は無錫、4日目は蘇州、5日目は杭州を巡るとある。そして、ツアー最終日の6日目に問題の現場を見学するようだ。6日目の行程には「朝食後に上海の“倒壊マンション”を見学します。世の冷たさと暖かさ、世の欲深さ、部屋の奴隷となった人生、粉々に打ち砕かれたガラスを見ます。これはいったいどうしてなのでしょう? 見学後、瀋陽の暖かい我が家に戻ります。これで、華東5都市を巡る6日間の旅は終わりです」と書かれている。ツアー料金は1,630元(約22,000円)、同社会員はさらに100元安い1,530元だ。

同社の副社長・李洋氏は「倒壊事故が起きた後、わが社の社員が『写真とニュースがこれほど衝撃的ならば、実際に現場を訪れたらどうなるのだろう?』と何気なく語ったのです。そこからこのツアーは生まれました」(楚天都市報より)とツアーが誕生した経緯を語る。また、「事故現場を訪れることは大きな社会的意義がある。ツアー客に衝撃を与えるとともに、地元政府と施工部門に影響を与えられる。もちろん、ツアー客の安全は守ります」(同)とも。倒壊現場見学にはこれといったコストがかからないことも、同社にとっては魅力のようだ。

今のところツアーの反響は上々のようで、「ツアー催行は決定したのか?」などといった問い合わせ電話が7月21日だけで百件近くあったという。また、中国のネットでも「史上最も衝撃的なツアー」「とてもいい! 私ならきっと参加する。“倒壊マンション”見ずして、上海を訪れたことにはならない」など、評判は高いようだ。

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