17年間捜した母親はホームレスになっていた、今後はともに生活へ。

2009/07/22 22:47 Written by Narinari.com編集部

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2歳で母親と離れ離れとなり、17年間に渡って捜索を続けてきた米国人女性が、先週、ついに母親との対面の時を迎えた。ようやく再会した母親はホームレスになっていたという衝撃の事実に直面したものの、今後は共に暮らし、長年の“空白の時間”を埋めていくという。人生の大半を離れて暮らしてきた母と娘。そこにはどのようなドラマがあったのだろうか。

米テキサス州ヒューストン近郊に住む38歳のジェシカ・ウィスノスキーさんは、実父と継母によって育てられた。ウィスノスキーさんの手元に残された実母ラニ・ブルゴスさんの姿は、2歳の時にブルゴスさんのひざに乗って撮影された写真のみ。実母の記憶はないものの、幼い頃から「会いたい」との気持ちは、ずっと胸に抱いてきたそうだ。

当時、ブルゴスさんがウィスノスキーさんを置いて離婚の道を選んだのは、自身の薬物乱用が原因。薬物と縁を切るべく努力したがうまくいかず、1人娘のウィスノスキーさんは父親が育てることになった。

その後、父親のもとで大人へと成長したウィスノスキーさんだったが、実母への想いは捨てきれず、21歳の時から夫のブライアンさんとともに、ブルゴスさんの捜索を始める。以来、現在に至るまでの17年間で2万ドル(約188万円)を使い、必死に探し続けたものの、実母の消息は全くつかめずにいた。

ところが先日、捜索の依頼をした私立探偵から「フロリダ州オカラの保護施設にいるのではないか」との報告を受けた。すぐに車でヒューストンからオカラへ出向いたウィスノスキーさん夫妻は、途中で出会った警察官の助けも得て捜索を開始。残念ながらその保護施設にブルゴスさんの姿はなかったものの、警察官の聞き込みにより、「ブルゴスさんを炊き出しの場所で見た」という目撃情報がもたらされる。

近辺を探したところ、地下通路にブルゴスさんらしき女性を発見し、警察官が本人と確認。娘にはもう会えないと思っていたブルゴスさんは、ウィスノスキーさんに再会したときに感情を抑えきれない様子だったと、地元紙オーランド・センチネルは伝えている。

17年間捜し続け、ようやく実母に会うことができたウィスノスキーさんは、これまでの経緯をブルゴスさんとじっくり話し合ったという。ブルゴスさんの話では、離婚の際にウィスノスキーさんの親権を夫に渡していたため、もう二度と会うことはできないと諦めたそうだ。離婚して独り身となったブルゴスさんはニューヨークで35年間、看護助手やバーテンダーなどさまざまな職業に就いたものの、3年前に気候の温暖なフロリダ州へ移住してからは日雇い労働をしながら各地を転々とし、現在はホームレス状態となっていた。

話し合いの末、ブルゴスさんはヒューストンにあるウィスノスキーさんの家で共に生活をすることになった。これまで1人で苦労してきたブルゴスさんは、急に家族ができ、また音信不通だった親族の生存も聞かされ、大喜びの様子だ。一方のウィスノスキーさんも「どんな状況でも家族は一緒にいるものでしょう」と、親子での生活の再開を楽しみにしているという。

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