15年間宝くじを買い続け12億円当選、子どもに宝くじ代請求した父の意図は。

2009/07/16 13:34 Written by Narinari.com編集部

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7月13日からサマージャンボ宝くじの発売が始まった。1等前後賞合わせて3億円、一攫千金を求めて購入した人も多いのではないだろうか。宝くじは購入した誰もが使い道に思いを馳せるものだが、実際には思うように当たらないのが常。当てようと思うなら、コツコツと買い続けた方が可能性は高いともよく言われる。財団法人日本宝くじ協会がまとめた「平成19年度宝くじ長者白書」によれば、1,000万円以上の当選者のうち、10年以上買い続けた人が59.3%と圧倒的に多い。高額当選を求めるなら、ひたすら地道に買い続けるのが“定石”というわけだ。

先日、ロトくじで約800万ポンド(約12億2,000万円)を当てた英国の一家も、15年間に渡ってコツコツと買い続けていた。

英国のロトくじ「ナショナルロッタリー」で、7月8日に798万5,672ポンドという大金を射止めたのは、69歳のテッド・ニュートンさん。英紙サンによると、テッドさんは15年前から妻と2人の息子たちからお金を集め、毎週くじを購入していた。

しかし、当たることを信じてくじを買い続ける父親を尻目に、子どもたちはだんだんと気が乗らなくなってきたようで、いつの頃からか、父親の購入代金の催促にも応じなくなってきたという。英紙デイリー・メールにテッドさんは「多分子どもたちが払ったのは、最初の5年だけ」「『くじのお金はどうした?』と聞くと、『今週は金がないんだ』『来週払うよ』って言うんだ」と話している。それでもテッドさんは子どもたちの分も立て替え、決して購入をやめることはなかった。

そして、7月8日の抽選でテッドさんの購入したくじがついに当選。大金を得たテッドさんは妻と、2人の息子、次男の妻サラさんに、それぞれ150万ポンド(約2億3,000万円)ずつ分けることを決めた。これには購入代金を払っていなかった子どもたちも感激し、スティーブンさんとの間に3歳の娘をもうけているサラさんは「娘の将来が守られるのは素晴らしい」(サン紙より)と喜んでいる。それでもサラさんは「今の週3回の仕事を今後も続けるつもり」と話し、倉庫で働く長男のダレンさんも「仕事と同僚が好きだから」と、突然の大金にも浮かれることなく冷静だ。

一方で、夢を掴んだ父テッドさんはお金を分け与える前に、3人の子どもたちに1つの条件を出している。それは「未払いのくじ購入代金、1,000ポンドずつ払う」こと。ケチで言っているのではなく、これにはちゃんとした理由があった。

時間は10年ほど前の1998年までさかのぼる。スティーブンさんが友人らとロッククライミングへ行った際のこと。不運にも雪崩に遭遇し、スティーブンさんの友人4名が亡くなってしまう。しかし、スティーブンさんは現在の妻であるサラさん、ガイドとともに15時間近く雪に埋もれながらも、山岳救助隊の必死の救出活動によって助け出されたという出来事があった。

「子どもたちには1,000ポンドの小切手を渡す義務がある」と言い切るテッドさんは、3人から集めた3,000ポンドを、スティーブンさんらを救ってくれた山岳救助隊に寄付するつもりなのだ。

サン紙に「人生はポジティブでなければ」とも話しているテッドさん。今、こうして夢を手に入れ、家族に幸福が舞い込んだのは命があればこそ。それだけに、スティーブンさんとサラさんの命を救い、孫が生まれるチャンスをくれた山岳救助隊への感謝の気持ちを忘れることはなかったようだ。

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