やり過ぎな中国のペットブーム、パンダ犬の次は「カラフル犬」が登場。

2009/07/15 13:30 Written by Narinari.com編集部

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急速な経済発展と「一人っ子政策」による少子化、都市部に広がる孤独化を背景に、空前のペットブーム(中国語で「寵物熱潮」)が巻き起こっている中国。1999年から2008年の10年間で、中国人がペットに費やす額は約500パーセント増加したと言われているが、北京や上海などの大都市ではペットショップや犬専用の美容室が次々とオープンしており、その勢いはしばらく衰えそうにもない。そうしたペットブームの中、中国からはペット(犬)にまつわる様々なニュースが流れてくる。今回、英紙デイリー・メールが報じたのは、飼い主によってスーパーカラフルに染め上げられたド派手な愛犬の姿だ。

中国湖北省の省都・武漢から届いた犬の姿は、レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンク――まるで日本の戦隊ヒーローのごとく多彩で華やか。中でもひときわ目立つのがコンチネンタルクリップ型にカットされたプードルで、前足はピンクとブルー、後足はグリーンとオレンジ、頭はピンク、耳はオレンジと、見た目はもはや大道芸人のようだ。日本でも犬にヘナ染めをしたり、耳や尻尾など一部を軽く染めたりする飼い主はいるが、中国の飼い主に比べれば、まだまだソフトな扱いと言えるかもしれない。

中国で犬の毛染めと言えば、2008年の“パンダ犬”が記憶に新しい。姿かたちをパンダそっくりに変身させた犬のことだが、「毛をパンダのように丸くカットして白黒に染め上げる」などといった「パンダ犬の作り方」がネットに出回り、多くの人々の関心を引いた。また、毛染め以外にも犬に整形手術を施し、パンダやヒツジ、ブタなどといった別の動物に犬を変身させる飼い主も現れ、「飼い主のエゴではないか」「動物虐待だ」との批判も噴出した。

今回の“カラフル犬”は、基本的にカットと毛染めをしただけなので、犬なのに犬ではないパンダのフリをさせられるよりはまだ救いがある。また、当の飼い主にしてみれば、愛情から犬にオシャレをさせているだけで、特に問題視することでもないとの意見もあるかもしれない。しかしながら、こうした行為が徐々にエスカレートし、飼い主が“特別な犬”を求めすぎると、結果として今問題となっている“改造犬”を量産する悲劇につながる恐れもありそうだ。

“改造犬”は毛を染めたり、整形手術を施したりすることで、見栄えを良くし、より高く市場で売れるように“改造”した犬のこと。改造した犬は病気にかかりやすく、1週間程度で死亡する事例も多発しており、「星期犬」(中国語で「1週間の犬」)という言葉も生まれている。実際に北京で“改造犬”を購入した人の話によると、身体を洗ったところアッという間に「色が落ちた」ほか、すぐに弱ってしまったそうで、動物病院に連れて行きなんとか命をながらえたそうだ。

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