使わない玩具で立体アートを創作、心理療法士から転身した芸術家が話題に。

2009/07/08 13:24 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


まだパソコンやゲームを扱えないくらいの小さい子供には、人形やブロックなどのおもちゃを与える親も多いだろう。でも、最初は興味を示して遊んでいても、飽きるのもアッという間。そうして使われなくなったおもちゃは放置された挙句、結局ほかの子供にあげたり、処分したりと、手に余るものになってしまう。しかし英国で心理療法士をしていた男性は、子供が使わなくなったブロックや人形を組み合わせて、犬などの立体アートを作り上げることを思い付いた。これが評判を呼び、現在は彫刻や絵も創作。芸術家として注目を集めているという。

この男性は、英コーンウォール州のロバート・ブラッドフォードさん。英紙サンによると、芸術家への転身のきっかけとなった出来事は4年前までさかのぼる。ある日、使われなくなった子供のおもちゃを見たブラッドフォードさんは、色彩豊かで形のバリエーションが豊富なおもちゃを見て、「そのおもちゃを、新しい存在に変えようという考えが湧いた」そうだ。接着剤やネジで小さいおもちゃを1つ1つ組み合わせた結果、第1号作品となる「シェパード犬」が完成。この作品については「それは実験だった。今はあまり好きではない」(デイリー・テレグラフより)と話すブラッドフォードさんだが、作る過程に魅力を感じて、さらに作品作りにのめり込んでいく。

現在では、おもちゃのほかにもボタンやくしなどの生活用品を使って、さまざまな動物や人間、天使の像などを製作している。多いものでは3,000個のおもちゃが使われているブラッドフォードさんの作品は、見た目の奇抜さとかわいさもあって人気も高く、最も高い作品で12,000ポンド(約185万円)の値がついたそうだ。

ブラッドフォードさんの公式サイトには数々の作品の写真が並び、最近、作品を出品した展覧会の名前がズラリと掲載されている。英国内はもとより、フランス、ノルウェー、ベルギーの各展覧会にも呼ばれるなど、その人気はジワジワと広がりを見せているようだ。

もともとブラッドフォードさんは、英国内の大学で芸術を専攻。早くから芸術家志望だったようだが、生活のために心理療法士の仕事をしてきた。しかし、2000年からは彫刻作品を作り始め、その道での成功を夢見ていたという。それだけに、現在の作品に対する世間の注目は、ブラッドフォードさんに活力を与えている様子だ。欧米にとどまらず、タイの美術館でも展示されたというおもちゃ作品、日本にも名前が広まるように今後の活躍に期待したい。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.