パリのニッポン好きが集結した「ジャパンエキスポ2009」に潜入してみた。

2009/07/08 05:28 Written by Narinari.com編集部

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ゲームやアニメ、マンガなど、日本のサブカルチャーやポップカルチャーが好きなフランスの人々が集う「ジャパンエキスポ2009」がフランス・パリで開催され、盛況の中、7月5日に幕を閉じた。10回目を迎えた今年は約15万人の来場者で賑わうなど、年々その規模を拡大している「ジャパンエキスポ」。いったいどのようなイベントなのだろうか。

「ジャパンエキスポ」は1999年からパリで開催されている、日本のさまざまな文化をテーマに盛り上がるイベント。扱われる文化は前述のゲーム、アニメ、マンガだけにとどまらず、武道や書道、茶道など、日本の伝統文化まで多岐にわたる。当初は来場者数千人規模の小さな展示会・同好会のようなものだったが、今ではフランスというくくりだけでなく、世界的に見てもかなり規模の大きな“日本文化発信イベント”へと成長を遂げた。

ちなみに、今年の「ジャパンエキスポ」には、日本からPUFFYやAKB48、ヴィジュアル系ヴォーカリストのAoi、マンガ家集団のCLAMP(「魔法騎士レイアース」や「コードギアス 反逆のルルーシュ」キャラクターデザインなど)、マンガ家の高屋奈月(「フルーツバスケット」など)、イラストレーターの高田明美(「魔法の天使クリィミーマミ」キャラクターデザインなど)、アニメ監督の渡辺信一郎(「カウボーイビバップ」など)らが参加。来場客の中からは、当初参加予定だった矢沢あいが健康上の理由でキャンセルとなったことを残念がる声も聞かれたが、ほかの面々も蒼々たる顔ぶれだ。

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今回、この「ジャパンエキスポ」にナリナリドットコムのフランス特派員が潜入。その熱気を肌で感じてきた。

アニメやマンガ関連で目立ったのは、今回の目玉とも言えるCLAMPだ。フランス最大手のマンガ出版社であるピカ(PIKA)社や、ヨーロッパで日本アニメの流通を手がけるカゼ(KAZE)社などの共催により、サイン会やトーク会、スペシャルコスプレ大会など、数々のイベントを開催。CLAMPの作品はマンガ、アニメともにほとんどがフランスで販売されており、絶大な人気を誇っている。

CLAMPと並び、非常に熱い人気を得ているのが高屋奈月。もともと白泉社系のマンガはフランスでも大人気だが、特に高屋奈月の代表作である「フルーツバスケット」は支持されているようだ。人物描写が細かい分、翻訳でも伝わりやすいのかもしれない。

AKB48をはじめとする日本人アーティストのライブの盛り上がりもスゴイ。クラブやディスコなど、音を身体で感じることが大好きなフランス人だけに、言葉がわからなくても大いに楽しんでいたようだ。特にAKB48は制服人気も手伝って、会場は総立ちとなっていた。

日本のアニメ・マンガ関連のイベントでもそうであるように、「ジャパンエキスポ」に彩りを添えているのは、やはりコスプレイヤーの皆さん。「BLEACH」「銀魂」「NARUTO」あたりのコスプレが特に人気で、カメラを向けるとポーズを決めてくれる人も多い。子どもにコスプレをさせている来場客も目立った。

しかし、それ以上に会場にあふれていたのが、和装姿の一般来場客の皆さんだ。実は「ジャパンエキスポ」はオタク的なイベントというよりは、ライトな親日の人々が日本文化を楽しみにくる場。閉鎖的な空間ではなく、軽いノリで普通の人たちが遊びにやってくる。“カップルや友だち同士で和装してお出かけ”くらいのイメージだと考えてよさそうだ。

会場では同人誌の類はあまり販売されておらず、来場者が買い求めていくのは模造刀やコスプレ衣装、アニメゆかりの小物などが多い。ここら辺も、日本のアニメ・マンガ系イベントとはちょっと違うところだろう。

ちなみに、フランスはもとより、欧州各国からの来場客であふれていた今回のイベント。皆、自然と友好的な繋がりを持とうとする傾向があり、“恋の街”フランスということもあって、異性との幸福な出会いも散見された。また、親日の人たちが多く詰めかけている場ということもあり、会場にいる日本人に対しても極めて好意的。「一緒に写真撮ってください」「カラオケしようよ」と誘われることも多い。フランスで愛されている“ニッポン”の姿を見るという面はもちろんだが、国としてだけでなく、人としても受け入れられるといった意味でも非常に楽しめるイベントだった。

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