英国の14歳少年がヒゲを剃るまで登校禁止に、憤慨する父親に賛否両論。

2009/07/03 21:14 Written by Narinari.com編集部

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このところ、英国内では「ミニスカートの丈を長くしないと全員ズボン」「キス禁止」など、日本人にとって過剰とも思える規則を定めた中学・高校が話題になっている。学校が細かく規制する意味についての是非が議論されているが、今度は英マンチェスターの学校が、ある男子生徒に対して「ヒゲを剃ってくるまで登校しないように」と通達した。これに対して男子生徒の父親が憤慨し、父親の態度にネットでは賛否が寄せられている。

登校禁止を通達されたのは、14歳のアカーシュ・イクバル君。ある朝、イクバル君が登校すると、教師から口元に生えたヒゲを剃るように命じられた。教師の小言は1時間にものぼったが、イクバル君はこの指導を拒否。すると、学校側は「ヒゲを剃るまで学校に来ないように」と帰宅させ、さらに自宅に電話して父親に「カミソリを用意してヒゲを剃らせ、学校に通わせるように」と通達したという。

この話を聞いた父親は激怒。イクバル君自身も「肌が荒れるから、まだヒゲを剃る習慣をつけたくない」として、学校側の通達に応じる気配はない。現時点で2週間ほど登校していないようだ。父親は、英紙デイリー・メールに対し「全くナンセンスで、学校はヒゲが制服の一部でないと話した。最初は冗談かと思ったよ」と語っている。

一方、学校側はこの件に関して同紙の取材に応じていないが、同紙は「この学校には、教員ですら守らなくてはならない制服の方針がある」と報じている。もともと規則が厳しいことで有名な学校のようだ。

しかし、父親の怒りは収まりそうもない。同紙に対して「彼はまだ14歳だ。いま剃り始めたら、これからずっと剃り続けなくてはいけない」「少し生えてきただけで、まだヒゲと呼ぶには程遠く、子供が剃る必要はない」との持論を展開し、学校の通達を受け入れる気配はない。とはいえ、イクバル君は来年に統一学力試験GCSEの受験を控えている。GCSEは将来を決定付ける重要な試験のため、本人は不登校による影響を心配し始めているという。

学校を停学になってもヒゲを剃らないというのも不思議な話で、同紙も「イクバル君はイスラム教徒であり、ヒゲを剃ってはいけないという宗教上の理由はない」と疑問を投げかけている。また、同紙電子版のコメント欄には「規則は規則でしょ」「ヒゲは剃る必要性が出てきたら剃り始めるもの」「それだけヒゲが生えてきたのは十分成長したから。ヒゲを剃るのに年齢制限はない」など、「ヒゲを剃るべき」とする意見が圧倒的。中には「お父さんは正しい、彼はまだ若すぎる」「これは男性差別。何で男はひげを剃らなくちゃならないんだ」などのイクバル君親子を擁護する声もあるが、多くの人は「彼にヒゲを剃らせる強さを持たせろ」とするなど、ヒゲを剃ることを常識と考えているようだ。

イクバル君のニュースは米ソーシャルニュースサイト「digg」でも話題になっており、米国人の間でも注目度は高い模様。ただ、米国からも「ヒゲは不衛生」「社会で当たり前の身だしなみを教育機関で教えられていると、父親が子供に言うべき」などの厳しい意見が寄せられている。

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