「大切な話」をする時は相手の右耳に、話の理解度が高くなる傾向。

2009/06/29 03:59 Written by Narinari.com編集部

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誰かと会話をしていて内容が聞き取りにくくなったら、とっさに傾ける耳は左右のどちらでしょう。実は、多くの人は右の耳を使います。これまでも、「言葉を聞く」という行為について左右の耳を比べた場合、右耳のほうが優位であることはさまざまな研究で知られていました。それは言語処理を司る左脳と右耳が直結しているからだと言われています。人と同様に、ネズミや猿、犬などで行われたテストでも、同じような結果が出ているようです。

でも、こうした研究の多くは限定された実験環境で行われたもの。そこでイタリアのある研究者は、より日常的な人間行動の中でどちらの耳が使われることが多いのかを調べるべく、ナイトクラブでの調査を実施しました。不特定多数の人々を観察したり、実際に話しかけたりすることで、彼らの「聞き取り方」をまとめたのです。

オンラインメディア「LIVE SCIENCE」によると、研究者はまず、ナイトクラブの客が会話をしている様子を観察。すると、話し手が聞き手の右側に位置するケース(=聞き手が右耳を使用)が約7割、逆に左側のケース(=聞き手が左耳を使用)は3割程度でした。どうやら無意識に聞き手が体の向きを変えて、右耳で会話を聞こうとしていたのです。

次に、実際に研究者が客の後ろに立って話しかけ(ただし、意味のない言葉を「べらべら」と言うだけ)、相手が振り向いてとっさに傾ける耳はどちらかを調べました。この場合も多少右耳が優勢だったそうです。やはり「利き耳」が右の人が多いということでしょう。

さらに振り向いた相手に「タバコをくれませんか?」と質問し、相手が意味を理解して本当にタバコをくれるかどうかも集計。この場合は差し出された耳の左右に関係なく、タバコがもらえる確率は同じでした。

しかし、右耳と左耳のどちらに話しかけるかを、話し手が予め選んで「タバコをくれませんか?」と質問をすると、右耳に話しかけられた人のほうが意味を理解する頻度が高く、タバコをわけてもらえた回数もグンと高かったそう。このことから、研究者は「右耳で会話を聞いたほうが、人は内容を理解する能力が高くなる」と結論付けています。

何か大切な話をする時には、相手の右耳に話しかけるようにすると良いかもしれませんね。

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