そっくり双子のどちらが犯人? 被害者も見分けつかず2人とも裁判に。

2009/06/26 10:51 Written by Narinari.com編集部

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一卵性双生児の双子は、他人からは見分けがつかないほどそっくりな容姿の場合も多い。それを利用して、いたずらをして入れ替わり、周りを驚かせるという“お茶目”な話を聞くこともある。しかし、そっくりであることが事件の捜査を混乱させる要因だったとすると、“お茶目”では済まされない話だ。英国のある双子は、どちらか一方が暴行事件の捜査対象となったが、被害者がどちらに暴行を受けたのかの判断が付かなかったために、2人とも起訴されるという異例の事態となった。

事件は南ウェールズの村で催された、ラグビークラブのパーティーで起きた。40歳のダレル・チャーチルさんはこの日、10歳の息子と一緒にパーティーに来場。すると、そこに来ていたある若者から、執拗に「外に出ろ」と因縁を付けられたという。チャーチルさんはこの要求を拒否し続けていたが、さらに若者が近づいてきて「対抗試合を覚えてるか?」と肩を叩いた。英紙サンによると、4年前に若者が出場したラグビーの試合で、チャーチルさんが審判を務めたとされ、この時に若者はチャーチルさんに対して何か不満を持ったようだ。

しかし、チャーチルさんはいくつかの飲み物を抱え、息子も近くにいたことから、若者に「離れなさい」と忠告したという。一度は離れた若者だったが、チャーチルさんがトイレに向かった時に事件は起きた。通路で突然若者に殴られ、その後、友人に助け出されるまで激しい暴行を受ける。鼻を骨折するケガも負わされたチャーチルさんは、警察にこの若者を告発することにした。

ところがこの若者は、見た目がそっくりな一卵性双生児の双子で、チャーチルさんにはどちらが殴りかかってきたのか見当がつかない。告発を受け捜査をしていた警察や検察も困惑。そのまま2人を起訴し、裁判で事実を明らかにすることにした。そして開かれた公判の中で、21歳の双子、リース・ヒギンズ被告とギャビン被告は、逆にリース被告がチャーチルさんに暴行を受けたと主張。さらに問題を複雑にさせている。

英BBCの報道では、双子はボクシングの試合を見るためにパーティ会場を離れようとしたところ、チャーチルさんが追いかけてきて、リース被告の右目辺りを殴ったと話しているという。さらにギャビン被告は「自分はこの件に関わっていない」とし、「チャーチルさんが友人と、リースに殴りかかるのを見た」と証言。リース被告は公判の中で「『私から仕掛けたのか』と問われれば、100%ノーと言える」「私はチャーチルさんを恐れている」と話したそうだ。

加害者なのか、被害者なのかはまだ分からないものの、どうやらリース被告が事件に関わったのは間違いない模様。次々と事件の話が膨らみながら、裁判は今も続いている。ラグビーだけに「ノーサイド」の精神を持ち合わせて欲しいところだが、残念ながらこの事件は“泥試合”の様相だ。

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