女性の声が植物の成長を促す? 英国王立園芸協会がトマトを使い実験。

2009/06/24 20:49 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


話しかけると育ちが良くなると言われるサボテンや、モーツァルトの音楽を聴かせると甘くなるトマトのように、何らかの声や音が植物の生育に影響を与えるとの説がある。まだ科学的にその理由が解明されていないため、あくまでも“説”にとどまるが、もし本当に人の声や音楽が植物に届いているのだとしたら、それはとても素敵な話だ。

英国の王立園芸協会は、そうした人と植物の関係を実証するために、ある実験を行った。1か月に渡って行われたこの実験は、トマトの根にあたる部分にMP3プレーヤーを繋いだヘッドホンを装着し、オーディションで選ばれた10人の声を聞かせて、成長の差を比較するというもの。実験には「種の起源」や「進化論」で知られる科学者チャールズ・ダーウィンの子孫にあたる、生物学者のサラ・ダーウィンさんも参加した。トマトに聞かせる声の内容はさまざまだったが、サラさんは「種の起源」の一節を読み聞かせたそうだ。

音に関する実験のため、トマトは音がしない環境に保たれ、人の声が植物の成長に作用するのかを1か月間細かく調べたという。その結果、サラさんの声を聞かせたトマトが一番成長がよく、男性の声で最も成長したトマトよりも約5センチ高かったそうだ。女性の声を聞かせたトマト同士の比較でも、2番目に成長したトマトよりも、サラさんのトマトは1センチ強高いところまで成長した。そのため、英国王立園芸協会は「男性よりもむしろ女性の声の方が成長を早めるようだ」と話している。

今回の実験結果について、サラさんは英紙タイムズに対して「声のトーンなのか、種の起源を読んだのが良かったのか、私にはわからない」とコメント。また、同紙は、20年以上前にチャールズ皇太子が「植物に話しかけるのはとても重要で、彼らはそれに応える」と語り、嘲笑を浴びたとするエピソードを紹介し、今回の結果により「皇太子はずっと正しかった」としている。

英国王立園芸協会は「(人の声などの音波も)雨や光のように環境の一部で影響を与える」(デイリーテレグラフ紙より)、「(植物に)話しかけることが、気持ちの良い何かを与えている」(タイムズ紙より)と考えているようだ。そして、サラさんのトマトが最も成長したことについては「まだ説明できない」としながらも、「彼女のピッチとトーンに関係ありそうだ」と推測している。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.