オーストラリアで12歳の少女が妊娠、同棲を認めた親の責任など巡り論争に。

2009/06/17 10:43 Written by Narinari.com編集部

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今年2月、英国で15歳の少女が子供を出産し、社会を巻き込む大論争が起きた。父親は当初、13歳の少年とされていたが、DNA鑑定の結果で別人の子供であることが判明し、少女は家族ともども夜逃げ同然で引っ越したという。この一件をきっかけに、英国内では性教育の議論が高まっているが、今度はオーストラリアで12歳の少女が妊娠したことが報じられた。母親が同棲を許可したことや、行政当局の対応を巡って大きな議論を巻き起こしている。

この話題は、今月初めにニューサウスウェールズ州議会で取り上げられ、その後、児童教育を担当する州コミュニティーサービス局(DOCS)が対応に間違いを認めたことでデイリー・テレグラフ紙が報じたもの。同紙によると、この少女は11歳の時に母親からボーイフレンドとの同棲を許可され、一緒に暮らし始めたとされる。別居していた父親はその事実を知ってDOCSに保護を求めて相談したが、養育権がなかったことなどから前向きな回答や行動はなかったという。

父親が手をこまねいていたところ、今年3月に少女の母親が精神病院へ入院し、父親が少女の養育権を引き継いだため、ようやく保護に成功。しかし、喜びも束の間、少女が妊娠してることが判明した。父親は少女を連れて警察へ報告したが、捜査を受け入れてくれなかったそうだ。

警察は同紙に対し、相手が15歳の少年で、ともにオーストラリアの承諾年齢の18歳に達しておらず、さらに聞き取り調査の際、少女が性的虐待への不満を口にしなかったため、捜査が行えなかったと話している。

こうした事態を受け、DOCSのリンダ・バーニー長官は「DOCSはもっと積極的にこの件に介入するべきだった」と陳謝。また、同局の広報担当者も父親から相談があった事実を認め、「調査は行ったものの、もっと徹底的に行うべきだったと認める」との声明を発表した。

同紙のコメント欄には200件近くの声が寄せられているが、「政府を非難する前に、自分たちの行動責任を問うべきでは」「母親は何で同棲を認め、父親は何で養育権を得るのに時間がかかったのか」「今回のケースはDOCSでなく、母親の責任を追及すべきだ」など、少女を含む家族を非難する声が強い。また、「DOCSは激務をこなしている」「友人の3兄弟に対してDOCSは1年に1回しっかり調査を行っている」との意見もあり、今回の件は特殊で、少女や少年の家庭環境が問題だと考える人が大半のようだ。

先進国では晩婚化の一方で、性交渉の低年齢化が進んでおり、英国の調査では、10代の子供を持つ親の20%が子供のためにコンドームを買い置き、16〜19歳の子供がいる親の4%は子供が避妊しているか心配だと回答している。子供を産み育てていく責任を含め、子供に対する性教育は、早急に取り組むべき問題と言えそうだ。

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