環境の激変が産後OCDを誘発、「几帳面、繊細」なタイプの女性はご用心。

2009/06/10 21:09 Written by Narinari.com編集部

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妊娠や出産は、人生に大きな転機をもたらします。しかし、母親にとって赤ちゃんの誕生は、喜びを感じつつも、ストレスの原因になってしまうことは珍しいことではありません。赤ちゃんを加えた新しい生活はさまざまな局面に変化をもたらすため、それがストレスとなり、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder、以下「OCD」と表記)を発症する場合もあるのです。英国のある心理学者は、その要因を「妊娠する女性の性格に関係する」と指摘しています。

OCDの患者は、周囲から見ても些細に思えるようなことが気になって、それを正す行為を繰り返したり(例えば手が汚れていると思い込んで何度も洗う、といった行動)、誰かに傷つけられるのではないかという強迫観念に襲われるといった症状が出る傾向があります。

また、あまり知られていない症状としては「加害恐怖」というものも。これは、誰かに危害を加えてしまうのではないかという考えが、突然頭に思い浮かぶこと。出産後の女性の場合、尋常ではないほど「赤ちゃんを傷つけてしまうのではないか」と思い込む形で現れることが多いようです。その想像があまりにも突拍子もないことであったり、何の前触れもなく不条理に思い浮かぶため、誰かに相談することもできず、悩んでしまうことも多いのだとか。

英国立キング大学のポール・サルコブスキー教授は、妊婦4,000人を対象に調査を行い、そのうち7%がOCDを発症していることを確認しました。その上で、患者たちに共通する点を分析。その結果、今まで体内ホルモンの変化が発症要因だと思われていた産後OCDには、環境の激変が一番大きな影響を与えている可能性が高いという結論を導き出しました。

「産後、OCDにかかる可能性は、元から几帳面であったり、人からの批判に対して繊細であったり、また何か悪い感情を持っても、それを押し殺そうとするタイプの女性に高いようです」

サルコブスキー教授はそう分析しています。

しかし要因がどのようなものであれ、妊娠を考えている女性に大切なのは、自分が性格的にOCDのリスクが高いのかどうかを知ること。サルコブスキー教授は「妊娠前からカウンセリングを受けるなどの予防をすることが重要だ」とアドバイスしています。

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