日本よりも卒業しにくい米国の大学、6年かかっても卒業率は53%止まり。

2009/06/08 14:49 Written by Narinari.com編集部

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米国の大学では、フルタイム、そしてパートタイムという言葉をよく耳にします。これは大学側が定めた1学期中に取るべき単位(多くは1講座当たり3単位×講座数)の数の違いで分けられるもので、通常一度に12単位(4講座)以上の授業を受けている学生ならフルタイム、それ以下ならパートタイムの学生となります。

この制度は単位数を少なめに取ることで勉強の負担を軽くし、「仕事をしながらでも通学できるように」との配慮からきたものです。そして学費は単位ひとつごとにいくら、という決め方となっています。金銭的にもフレキシブルなんですね。

さらに、米国の大学には入学金がなく、また、大学の数自体が多いこともあり、大学進学率はかなり高め。余談ですが、生徒が何年生なのかをあらわす「フレッシュマン」「ソフォモア」「ジュニア」……というのは、通った年数で分けられるのではなく、終了した単位数で決められます。

しかし卒業率となると、話は別。米国を代表するシンクタンクのひとつ、アメリカンエンタープライズ研究所の調査によると、同国の大学生が6年以内に4年制大学を卒業するのは、53%程度なのだとか。半数近くがそれ以上の年数をかけて卒業するか、またはドロップアウト(退学や中退)してしまうということになります。

これは全米から選んだ1,400校を対象に、2000年にフルタイムとして入学した新入生の通学記録をまとめたもの。卒業までの年数が伸びてしまうのは、フルタイムから途中でパートタイムに変わったり、単位を落として再び同じ講座を取らなければならなかったり、といった理由があるようです。

この卒業率は学校ごとに大きな開きがあり、最も高い率を示したのは名門のほまれ高いハーバード大学の97%。逆に低かったのは、ルイジアナ州の南部大学ニューオーリンズ校で、なんと8%だそう……。しかし、この低い数字は2005年のハリケーン・カトリーナの影響。キャンパスの施設自体が大きなダメージを受けただけでなく、自宅の破損などで引っ越しを余儀なくされた生徒も多数いたためです。

例外はあるものの、入学資格や難易度がほぼ同様の大学の間でも数字の開きが見られ、アメリカンエンタープライズ研究所は「生徒の勉学に対する意欲だけが影響しているのではなく、個々の大学自体の『質』も大きく影響している」と分析しています。

ちなみに日本の大学の卒業率は、昨年読売新聞が約500大学を対象に行った調査によると、最高は99%、最低は46.6%で、平均は84.6%だったそうです。

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