歩道走る自転車の平均時速は34キロ? 「めざまし」調査に疑問の声。

2009/05/28 15:35 Written by Narinari.com編集部

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節約や健康志向、エコ意識の高まりなどを受け、近年、都市部で増加している自転車通勤。なかなか運動に時間を割けない多忙なビジネスマンにとって、まさに一石二鳥、一石三鳥とも言える通勤手段だが、その一方で自転車にまつわるトラブルや事故が話題に上る機会も増えている。そうした中、「めざましテレビ」(フジテレビ系)の「ココ調」のコーナーが“自転車の危険性”についての調査を実施。歩道を走る自転車のスピードを計測し、「平均34キロで走行していた」と結論づけたが、この結果にネットから疑問の声が上がった。

「ココ調」の調査は交通量の多いことで知られる東京・世田谷の国道246号線で、午前7時半〜8時半の通勤時間帯に実施。この時間帯に計測ポイントを通過した自転車は265台で、車道を走っていたのは195台(74%)、歩道を走っていたのは70台(26%)だった。「自転車及び歩行者専用」の標識が出ている場所に関しては自転車も徐行を条件に歩道を走ることができるが、基本的には「自転車は車道」ということは認知されているようだ。

次に「ココ調」は、実際に歩道を走る自転車が本当に徐行しているのかどうかを、スピードガンを使って計測したところ、9台の自転車から割り出した平均時速は34キロとなった。この結果を受け、「人の歩く速度は時速3〜4キロなので、およそ10倍のスピード」とし、「歩行者の安全のために徐行することは絶対に必要」と結んでいる。

しかし、ネットでは「ココ調」の調査方法に疑問符が付いた。まず、使用されたスピードガン「Speed Max II」(ゼット社)は「野球、ソフトボールのボール速度およびバットスイング速度を計測する」(パンフレットの商品説明より)ためのもので、測定可能速度は「時速50キロ〜180キロ」(同)と、そもそも低速で走る自転車の測定には不向きであり、測定可能速度の範囲内ですらないこと。

また、実際に放送された映像を見る限り、ペダルを漕いでいない自転車(惰性の状態)が平均時速34キロのスピードが出ているとは考えにくいことなどから、「都心では車道を走る自動車でも30〜40キロくらいなのに」「競輪選手か」「用意された結論に持っていくためのねつ造」との疑問や批判の声が上がっている。

コーナー全体としては“自転車の危険性”に警鐘を鳴らし、わかりやすい内容。それだけに「スピードガンのくだりは残念」とする意見も多い。

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