日本人が設計、台湾に「ドラゴン型」の100%太陽光発電スタジアム完成。

2009/05/22 13:38 Written by Narinari.com編集部

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夏季五輪が開催された翌年に、「ワールドゲームズ」と呼ばれるスポーツ大会が開かれているのはご存じだろうか。競技人口は多いものの五輪で採用されていないスポーツが中心の大会で、空手や相撲、ボウリング、ビリヤード、綱引きなど競技はさまざまだ。1981年に米国で初めて開催され、2001年には秋田県も会場となったが、第8回を迎える今年は台湾・高雄市で7月16日から11日間にわたり、公開競技5種目含む31競技が行われる予定だ。そのワールドゲームズのメイン会場となるスタジアムがこのほど完成し、日本人設計による奇抜なデザインとエコロジカルなテーマが話題を呼んでいる。

日本ワールドゲームズ協会が、大会コンセプトを「既存の施設で開催できる競技種目のみで実施するため、低費用で実施できる」と説明しているように、ワールドゲームズではこれまで、既存の施設を利用して開催されてきた。大会のためにスタジアムが建設されたのは、今回の台湾が初めてだ。台湾行政院の後押しを受け、高雄市により20億台湾元(約70億円)をかけて作られた。

米デザイン情報サイト「Inhabitat」が「ドラゴン形」と説明するこのスタジアムは、収容人数約5万人。外壁の一部が大きく開放され、そこが入口になっている。また「エコロジー」をテーマに建設され、スタジアム建設前に生えていた植物は全て移植され、周辺には公園や池を整備した。

最大の特徴は、屋根に設置された太陽電池システムだ。屋根一面に設置された太陽電池パネルは8,844枚にのぼり、スタジアムで使用する電力をすべてまかなうほか、スタジアムを使用してないときは周辺地域へ電力を供給する予定なのだとか。周辺地域の電力需要量の8割をカバーできるという。

このスタジアムを設計したのは、4月7日放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でもスポットを浴びた日本人設計技師、伊東豊雄氏。設計事務所代表を務める傍らで多摩美術大の客員教授としても活躍している。これまでも、横浜駅西口地下街に建設された「風の塔」、東京・表参道の「TOD’S表参道ビル」、東京・銀座の「MIKIMOTO Ginza2」など、多数の設計を手がけており、5月にオープンした東京・高円寺の劇場「座・高円寺」のデザインも担当した。

ワールドゲームズ高雄大会では、五輪の正式種目から外されたソフトボールが公開競技として実施される予定。日本のテレビでも、新スタジアムの様子が放送されるかもしれない。新交通システムの駅が近く交通の便が良いことから、台湾の新たな観光スポットとしても注目されそうだ。

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