小学校の宿舎で女子児童に暴行、中国農村部の“財政難”が招く悲劇。

2009/05/19 18:11 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


北京の『京華時報』によると、小学校の宿舎内で8歳の女子児童が男に暴行されるという事件が起きた。この事件の背景には、中国農村部の学校が抱えている深刻な“財政難”がある。都市部の学校では起きないような事件が、当たり前のように起きてしまうのだ。

事件が起きたのは5月12日深夜3時、雲南省宣威市の農村部にある小学校宿舎内だ。ベッドで寝ていた8歳の小萌が宿舎に侵入してきた男に暴行され、気絶するという事件が起きた。室内では14人の女子児童が一緒に寝ていたが、皆怖くて声を出すことができず、男から小萌を助けることができなかったという。この宿舎ではひとつのベッドにつき2人の女子児童が一緒に寝ていたが、小萌と同じベッドで寝ていた女子児童さえも助けを求められなかった。被害に遭った小萌の母親が現地メディアに語ったところでは、小学校の宿舎の扉は長い間壊れたままで、寝る前に女子児童たちは棒をカギの代わりに使っていたらしい。

小萌が通う学校の校長は「田舎の小学校の条件はとても悪く、警備員を雇うことすらできない」と言う。事件当日も先生が午前1時に「夜間パトロール」をしたそうだが、事件が起きたのは午前3時過ぎのこと。「夜間パトロール」をしていたとしても、これでは意味をなすはずがない。

交通機関が発達していない中国の農村部では、家が遠く離れている子どもたちは学校の宿舎で寝泊りをしながら勉学に励むのが一般的だ。しかしながら、資金不足から宿舎の環境は劣悪であることが多い。そのため、今回のような事件だけでなく、様々な事件の舞台と化している。昨年12月には、侠西省の宿舎で寝泊りしていた女子児童11人が炭ストーブによる一酸化炭素中毒で亡くなり、また、児童が誘拐されるという事件も起きた。例え財政難という理由があるにせよ、学校は大事な子どもたちを預かる場所。最低限の安全は確保してもらいたいものだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.