アメブロなどを運営するサイバーエージェントが、5月13日にリリースした男性情報共有サイト「男の子牧場」をご存知だろうか。多くの女性が、恋人・結婚相手が欲しいと思ったときに、友人の紹介での出会いを求めていることに着目。身近な男性の情報を共有・紹介し合い、“婚活”に役立てられるように開設された、女性向けのケータイコミュニティサイトのことだ。

「男の子牧場」のサイトデザインは、その名の通り牧場をイメージしたもの。男性を牛や馬、羊のアイコンに見立て、サイト上にユーザーが開設する「牧場」で管理していく。柵で囲われた「牧場」は男の子（動物）をマッピングするためにXY軸が付けられており、ユーザーは好みのカテゴライズ名称を命名。例えば、X軸に「草食」「肉食」、Y軸に「脈アリ」「脈ナシ」といった名称を付け、4つに分かれたエリアにそれぞれ動物のアイコンをマッピングすることで、一目で男性の情報が把握できるという仕掛けだ。

ところが、リリース直後から「男の子牧場」には非難が殺到する。「サイバーエージェントではたらく広報担当のブログ」には「面白いアイデアのサイトですけど、男性を牛や馬や羊のアイコンで登録って倫理的に大丈夫ですか……」「男性が家畜…ってどうなんでしょう…。男性もいよいよそう見られる時代なんでしょうか。残念ですね…」「人間を家畜扱いする、ということに、何ら問題を感じない企業ということですね？」と厳しいコメントが続々。そのほとんどは、“男性を動物に見立て、牧場で飼う”というイメージに嫌悪感を抱くものだ。

また、他人が登録した個人情報を勝手に共有されてしまう点、サービスの注意書きには「男性プロフィールの登録は、男性本人の同意が必要となります」とあるものの、公開された情報が同意を得たものなのかどうかを確認する方法がない点、女性しか登録できないサービスのため、男性が望まない情報が公開されている場合に対処できない点など、個人情報保護の観点からサービスを問題視する声も多い。

これを受け、同ブログでは釈明のエントリーを更新。「『男の子牧場』という名称は、昨今話題になっている『草食男子』というキーワードから連想し、女性がイメージしやすいようにという意図でつけられました」と名前の由来を説明し、「社内の男性社員へのリサーチを経て、問題ないという判断の下開始いたしました」と、社内では問題ないとの結論に達したとしている。ただ、あまりに反響が大きいことから、「今後のネーミング変更も視野にいれ、検討したいと思います」と、サービス修正の検討を始めるようだ。