英国で「世界最小の自動車」の記録更新、遊戯施設にあるライドを改造。

2009/05/14 18:44 Written by Narinari.com編集部

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遊園地やデパートの屋上によくあるライド(コイン式電動遊具)は、動物から乗り物、キャラクターものまで多種多様。懐かしさのあまり乗りたがる大人も少なくないが、幼児向けライドのサイズは小さく、特に男性が乗るのは至難の業とも言えるサイズだ。でも、英国人のペリー・ワトキンスさんはそのライドをベースに本物の自動車を造りあげ、「世界一小さい自動車」の開発に成功した。ナンバーを取得し、公道を走ることも可能だという。

これまで世界最小の自動車とされていたのは、同じ英国で1960年代に50台だけ販売された、ピール・エンジニアリング社製の「ピール50」。全長134センチ、幅99センチの一人乗りオート三輪で、今年2月に英博物館に展示され、話題を集めた。

ワトキンスさんが開発した自動車「Wind Up」は、全長129センチ、幅66センチ、高さ99センチとさらに小さく、5月11日に米国の世界記録認定機関「ワールド・レコーズ・アカデミー」から「世界最小の自動車」の認定を受けている。

英紙サンによると、ワトキンスさんは靴やライターを販売する会社に勤務するサラリーマンで、車の製作は趣味で行っているという。しかし、製作歴は約25年に及び、これまでに「ワールド・レコーズ・アカデミー」に「世界で最も背が低い」と認定された自動車を3度も開発するなど、玄人はだしの腕の持ち主だ。

3度目に世界記録認定された自動車は、2007年に18か月かけて製作した高さ48センチのもの。映画「バットマン」に出てくるバットモービルがモデルで、ジェットエンジンを装備しており、2メートル近くのバックファイアを噴出するなど、小さいながら過激な車体だった。ワトキンスさんはバットマンのコスチュームを着こんでドライビングを披露し、その様子は「ワールド・レコーズ・アカデミー」のサイトでも紹介されている。

今回開発した「世界最小の自動車」の製作期間は7か月。自動車の原型には、英アニメ「ポストマンパット」に登場する郵便配達車がモチーフのライドを使用した。英紙デイリー・メールによると、インターネットで素材を物色していたワトキンスさんは、スコットランドでライドが販売されているのを発見。当初は使われている部品が欲しくて購入したが、いつの間にかライドそのものを自動車のフレームとして使用することになったという。

内装を取り外し、フレームは鉄骨で補強。そこに150ccの単気筒、4ストロークエンジンを積み込み、ワイパーやウィンカーなどを装備する本物の自動車へと変貌させていった。

軽四輪車としてナンバーも取得し、先週には公道を走行した。ワトキンスさんは「道行く人は最初、この車をみると怪訝そうな顔をしていたけど、自動車だと分かると笑っていたよ」(デイリー・メールより)と周囲の反応に満足している様子だ。自身の持つ「背が低い自動車」の記録を次々に塗り替えてきただけに、今後「世界最小の自動車」の記録も更新するのか、ワトキンスさんの意欲に期待したい。

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