ケガをした原因は「荷物の受け取り方が強引」だから? 配達夫が顧客を提訴。

2009/04/29 21:50 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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何がなんでもすぐに裁判沙汰にするお国柄というイメージを持たれることが多い米国ですが、同じように、英国でも不思議な理由から法廷に訴える人々がいるようです。英国ウエスト・ヨークシャー州のケイリーという町に住むリチャード・モゼイコさんと、妻のキャロリンさんは、ある日突然届いた弁護士からの手紙に困惑しました。なんとそこには昨年5月に夫婦の自宅に荷物を配達した配達夫が、彼らに対して5,000ポンドの損害賠償を求めている、という内容だったのです。

配達夫は同国大手のスーパーマーケット「セインズベリー」の従業員。その日、配達夫はモゼイコさん夫妻の息子がインターネットで注文した食材を配達するべく、彼らの家にやって来ました。そのときに、配達夫曰く、

「受け取りに出た家人が、荷物を手渡す際に自分の方に近寄り過ぎたために、後ろに下がらねばならず、玄関先にあった段差から足を踏み外して転倒してしまった」

とのこと。弁護士からの手紙には、配達夫は転倒によって負ったケガのために1か月仕事ができず、その他治療代なども含めたトータルのコストを夫婦に対して要求していると書かれていました。

しかしモゼイコさん夫妻は、

「その時、確かに配達してきた人物は転倒してしまったが、すぐに起き上がって、体に異常はなさそうだった。それに1年近くも経ってから、なんで今になって訴えられなければならないのでしょう」

と、混乱しています。もちろん支払いに応じる考えはなく、法廷で争うつもりだそうです。

ちなみに配達夫の代理を務めている弁護士は、

「法廷で負けたら、弁護代はいただきません」

との宣伝文句で知名度を上げているとか。ということは、配達夫にしてみれば訴えに勝てばお金が手に入るし、負けてもコストがかからない、若干美味しいシチュエーションとも言えます。彼が損害賠償を求める気になったのも、なんとなくうなづける気がしますね。果たして裁判の行方はいかに。

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