「男性」と知らずに5か月間交際、貢いだお金の累計は700万円に。

2009/04/26 20:04 Written by Narinari.com編集部

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先日、中国の美男子が美女に成り済まし、男性から多額の金額を騙し取るという詐欺事件が発覚した。その額、5か月で約50万元(約700万円)。“恋は盲目”とは言うが、騙されてお金を失い、挙句に愛する人の存在自体をも欺かれた心の痛みとは、いったいどれほどのものなのだろうか。

この事件が報道されたのは、4月24日のこと。河南省のニュースサイト「大河網」によると、21歳の方偉は、昔から女装のクセがあったという。美しい顔立ちであったため、いつの間にか女性のように自分を着飾る楽しみに目覚め、気付いた時には男性としての自分、女性としての自分を使い分けて生活するようになっていたそうだ。学校や職場でも女性と偽り普通に生活をしていたというのだから、方偉の美貌は“推して知るべし”と言ったところか。

方偉は、インターネット上に自分の美しさをアピールする写真を数多く掲載していた。高級ブランド品を身に付け、あたかもファッションモデルのようなその風貌は、多くの男性たちから羨望の眼差しで見つめられていたに違いない。今回、不幸にも詐欺事件に巻き込まれた王氷(仮名)も、きっかけはインターネットによる出会いだった。

王氷が方偉の存在を知ったのは、昨年11月3日のこと。一人南京に出張していた王氷が暇つぶしにチャットを始めたところ、“九尾狐”と名乗る女性と知り合う。彼女が言うには、「親族に会うために南京に来ている」とのことだった。王氷と九尾狐は、しばらくチャットで雑談を続けていたが、九尾狐から送られてきた1枚の写真で王氷の心は揺り動かされる。その美しい容貌に一目ぼれしてしまい、実際に南京のバーで会う約束を取り付けた。

王氷が警察に語ったところでは、実際に目にする九尾狐は、写真以上の美しさであったという。彼女は王氷に「ファッション関係の貿易業務をしており、上海にブティックを1店構えている。失恋したばかりで、弟がいる南京に気晴らしに来たの」と自己紹介。

二人がそこでどんなに楽しいひと時を過ごしたのかは語られていないが、別れ際、九尾狐は王氷に言ったそうだ。「今後も仲良くしていきましょう。(お金の)“贈り物”をちょうだい」と。王氷はすぐにATMに行き、5000元(約7万円)を引き出して彼女に手渡す。それからというもの、王氷は彼女に会う度にお金を手渡す関係になってしまったそうだ。そして、5か月も経たない間に貢いだお金は50万元(約700万円)近く。中国の物価からすると、日本円にして数千万円の価値がある大金である。

方偉のことをよく知る知人が言うには「彼は男性と女性を上手に使い分ける。お金遣いがもの凄く荒く、いつも高級バーで騒いでいた」とのこと。また、「方偉は、王氷に会う以前から他にも多くの男性を騙してきた」そうだ。

今回の事件は、この知人が騙され続けている王氷を哀れに思い、“九尾狐の正体”をバラしたことから発覚。結果として方偉は逮捕されることになったが、仮にもしこの知人が王氷に連絡を入れていなかったとしたら、いったいいつまで貢ぎ続けていたのか、想像するだけで恐ろしい。

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