「トイレットペーパーがない」中国トイレの“忘れられない話”。

2009/04/12 18:26 Written by Narinari.com編集部

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先日、中国のニュースサイト「新華網」に、中国の公衆トイレに関する論評が掲載された。執筆者は「友人の外国人記者から言われた“忘れられない話”」とした上で、中国の公衆トイレ事情を批判している。

“忘れられない話”の内容はこうだ。友人は中国の公衆トイレを使用する上で耐えられない問題として「床に大小便や吸殻が散らばっている」「壁に落書きが溢れている」などを挙げ、その中でも特に耐え難いこととして「トイレットペッパーが備え付けられていない」ことを挙げている。中国の公衆トイレでは、入口前にトイレットペーパーを扱う小さな売店(同売店ではなぜかミネラルウォーターやお菓子も売られていることが多い)やポケットティッシュ販売機が置かれており、用を足す場合は、事前にトイレットペーパーまたはポケットティッシュを購入してから入るのが一般的だ。この外国人記者はかつて、突然便意をもよおしてトイレに駆け込んだ際、トイレットペーパーが備わっていないことに後々気付き、電話をかけてわざわざ同僚に持ってきてもらったことがあるそうだ。

中国の公衆トイレにトイレットペーパーが備え付けられていない理由を明かす上で、かつて参考になる事件があった。

ある省都の大型スーパーでは、トイレ使用を「会員制」にしたことがある。その方針に民衆は大反発。「我々にはトイレを使う権利もないのか」とそのスーパーの排斥運動にまで発展した。スーパー側は「最初はお客様全員にトイレを開放しておりましたが、トイレットペーパーがたちまち無くなってしまうのです。液体石鹸も根こそぎ奪われてしまいました」と、やむを得ない措置だと弁解。さらに非情なことに、スーパーに車で乗りつけ、トイレの蛇口から桶いっぱいに水を入れて持ち去る“水泥棒”もいたという。「その時の水道料金は半端ではなかった」とスーパーの担当者は話している。

また、論評では中国の公衆トイレ事情を批評する上で、日本の公衆トイレ事情にも触れている。執筆者は、かつて公務で日本を訪れた際、便意をもよおして地下鉄駅構内のトイレに駆け込むことがあったそうだ。その時は「床にゴミひとつなく、きちんと整列して自分の番を待っている姿に驚いた」と語っている。また、トイレではトイレットペーパーが三角形の山を築くようにたくさん置かれているのを見掛けたそうだが、「それでもトイレットペーパーを奪い取っていく姿は見られなかった」と、中国との明らかな違いに感嘆。総じて「心が洗われるような気分」だったと感想を述べている。

とは言え、中国の公衆トイレ事情は改善されつつあるのも事実。上海や北京などの大都市の百貨店やスーパーマーケットでは、トイレットペーパーや液体石鹸が備え付けられている場合が多く、列にきちんと並んで順番を待つ姿も一般的となりつつある。あくまで一部の公衆トイレに限定した現象、そして外国人記者の個人的な体験談としてとらえておくと良いだろう。

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