ティラノサウルスを超える最強の恐竜発見、噛む力は10倍以上。

2009/03/17 23:12 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


映画「ジュラシック・パーク」シリーズで最強の敵とされ、恐竜の代名詞ともなっているティラノサウルス(T・レックス)。いまから6500万年以上前の中生代白亜紀に生息していた史上最大級の肉食恐竜で、ティラノサウルスという名前には「暴君のように恐ろしい爬虫類」との意味が込められている。日本ではかつて「暴君竜」と訳され、中国語では「覇王龍」と呼ばれているようだ。

こうした中で、昨年夏に北極海にあるノルウェー領スバールバル諸島の永久凍土層から化石が発見された「プレデターX」が、そのティラノサウルスをしのぐ最強の恐竜である可能性が示された。化石から推定した噛む力は、ティラノサウルスの10倍以上となる1平方インチにつき3万3000ポンド(約15トン)にのぼるという。


この化石を発掘したのは、ノルウェー・オスロ自然史博物館のヨルン・フルム準教授ら。2年前に同じ場所で発見された海棲恐竜プリオサウルスと同様な形態なものの、はるかに大きい(推定体長15メートル以上、体重45トン以上)ため、同準教授らは「プレデターX」と呼んでいる。

この発掘は今年3月3日に発表され、イクチオサウルス(推定体長22メートル以上)よりも小さいものの獰猛さで勝ることから、ジュラ紀(約1億9500万年前〜約1億3500万年前)の海洋生態系の頂点に君臨したのではないかとされていた。

フルム準教授らは米国の研究施設と協力して2万片以上の化石をさらに分析したところ、「プレデターX」は巨大で鋭利な歯を備えており、噛む力は1平方インチにつき3万3000ポンド(約15トン)にのぼることが判明した。これは、同2500ポンド(約1.1トン)のワニだけでなく、同3000ポンド(約1.4トン)のティラノサウルスをも凌ぐ咬合力だ。同準教授は「『ハマー』(GMの大型RV車)を簡単に噛み潰すことができる」(ロイターより)と評している。


「プレデターX」は4つのヒレを持っているが、海棲肉食恐竜はサメのように2つのヒレがあれば十分に遊泳可能なため、フルム準教授らはこの点に疑問を抱いていた。しかし、さまざまな解析の結果、余分とみられていた2つのヒレが獲物を急襲するために水中を突き進む「ターボ」の役割を果たしていることが明らかになった。そのため、同準教授は英紙タイムズに対して「『プレデターX』は、ターボが付いた史上最も獰猛なハンター」「地球の海をパトロールする最も危険な生物だ」とのコメントを寄せている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.