ベーシストHEATHの脱退の可能性が指摘され、解散の危機が報じられたX JAPAN。3月21、22日に控えていた韓国公演と5月2、3日に予定されていた東京ドーム公演の開催も危ぶまれていたが、公式サイトで正式に韓国公演の延期が発表された。3月14日開始予定だった東京ドーム公演チケット先行抽選販売も延期しており、今後の予定については白紙の状態。ファンの間に動揺が広がっている。

X JAPANが3月13日付で公式サイトに発表したのは、「韓国公演、東京ドーム公演に関する大切なお知らせ」と題した両公演の延期について説明するもの。しかし、延期の理由について「諸事情により」としており、具体的には明かしていない。

韓国メディアでも延期に関する記事が掲載され、すでに8割が販売されたというチケットの払い戻しに応じると伝えている。また延期の理由については、HEATHとの調整が難航していると韓国の公演関係者が明らかにしたようだ。

X JAPAN公式サイト内の韓国公演ページに設置された掲示板には、それまで1日20件前後の書き込みだったのに対し、13日だけで200件近くのコメントが寄せられている。その多くが「失望した」「長い間心待ちにしていたのに」と無念さを表すものだ。HEATHやリーダーであるYOSHIKI個人に対するものも多く、YOSHIKIには「動画でいいから直接説明してほしい」と要望する声も少なくない。

というのも、X JAPANの韓国公演については昨年8月に開催すると韓国側関係者が明らかにし、同年6月にYOSHIKIが訪韓し公演の正式発表をする予定が、椎間板ヘルニアの悪化による健康上の問題でキャンセル。同年9月にようやくYOSHIKIが訪韓して今年3月の公演を発表したという経緯がある。そのため、韓国ファンの間では「これだけ待ったのに」という心情が強いようだ。

また、韓国内では2004年の日本人CD発売解禁前から海賊版やインターネットなどでX JAPANの人気が広がっており、今回の公演に対する期待も大きかった。こうしたことも、ファンの大きな失望感を増幅させた一因とも言える。報道が先行して対応が後追いになっているだけに、X JAPAN側からの具体的な説明が待たれるところだ。