街中に「せんとくん」作者の童子像6体、区議会議員や住民から疑問の声も。

2009/03/06 19:06 Written by Narinari.com編集部

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2010年に奈良県で開催される平城遷都1300年記念事業のマスコットキャラクターに採用され、ネットを中心に激しい議論を巻き起こした「せんとくん」。騒動から約1年が経ったが、各種イベントに着ぐるみの「せんとくん」が登場し、関連グッズも続々登場するなど、いまではすっかり定着した感もある。騒動の際には作者の籔内佐斗司氏に対しても、独特なデザインをめぐるさまざまな意見が噴出したのは記憶に新しいところだが、いま、東京のある街で、再び籔内氏の作品が“小さな物議”を醸しているのをご存知だろうか。

舞台となっているのは、東京23区の西のはずれ、杉並区と武蔵野市の境界線そばにある街・西荻窪。全国的に名の知れた吉祥寺の隣町でもある西荻窪は、近年、骨董品やグルメの街として注目される機会が増えてきた街だが、最近、この街に籔内氏の像が6体設置された。6体はいずれも籔内氏がテーマにしている「童子」をモチーフにしたものだ。

杉並区議会の市橋あや子議員のホームページによると、この像は西荻窪の商店街が建てたそう。その資金の出所を、市橋議員は「商店街振興の補助金でつくったのかな?」と、杉並区からの補助金(=税金)で設置されたものだと見ているようだ。その上で、「この六童子、どうしてくれよう」「ほんと、このような企画でまちの人たちは納得するのでしょうか」「私は薮内氏の作品、面白いと思っていますが、税金が投入されているとなると微妙です。それも6体も」と疑問を呈している。

そこで、実際に街に住む人たちはどう思っているのかを知るべく、西荻窪の住民に話を聞いてみた。

「絶対いらない。突然できてビックリした。『せんとくん』作者の像である意味もわからない」(30代男性/西荻窪在住30年)
「税金だったらイヤだねぇ……。大きさも中途半端だし」(50代女性/西荻窪在住59年)

これらはごくごく一部の意見であり、逆に歓迎している声もあるはずだが、今回話を聞いた2人や市橋議員のように、あまり賛同していない声があることも間違いないようだ。

今回の件は籔内氏には何も非はないものの、西荻窪と籔内氏に接点がない(仮にあるとしても、住民には伝わっていない)ことも、像設置の「意味」が見えない理由のひとつとなっている。籔内氏の6体の「童子」像は、本当に商店街振興の一助となるのだろうか。

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