ベッカム移籍問題は今週末にも決着か、1月移籍でミランの思惑通りに?

2009/03/04 12:17 Written by Narinari.com編集部

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2月24日にも直接交渉が予想されていたクラブ間によるデビッド・ベッカム選手の移籍問題は、公に報道されることもなく1週間が過ぎた。こうした中で米紙ロサンゼルス・タイムズが、あと数日に迫った3月9日のレンタル期限を前に、今週末にも決着すると報じている。それによると、欧州のシーズンが終わる6月までレンタル期間を延長し、その後いったんロサンゼルス・ギャラクシーへ復帰、1月の移籍シーズンにミランへ戻るという。

欧州サッカーでレンタル移籍はよくあることだが、元のチームにいったん復帰してから完全移籍という例はあまり見られない。多くはそのままレンタル元に戻るか、完全移籍交渉がまとまりそのまま残るというパターンだ。今回のケースは、ミランが完全に主導権を握った結果の賜物と言うほかない。ロサンゼルス・タイムズ紙は、ベッカム選手が6月にLAギャラクシーへいったん復帰することに同意したとも報じている。

ミランにとって最大の利点は、ベッカム選手本人がミランに残りたいという意思表示をしたこと。さらに、今年11月30日には同選手がLAギャラクシーとの契約を破棄してフリーになれるという事情も、ミランのプラス材料となっているようだ。

これにより、莫大な移籍金を払ってベッカム選手を迎えたLAギャラクシーは、今回の交渉でできるだけ多くの移籍金でミランと妥結する以外メリットがなくなった。また、ミランが同選手の移籍を急がないことについては、米国でプレーすることが来季の欧州カップ戦に全く支障がないことも大きく影響しているのだろう。

交渉にソツがないといわれるミランは、こうした状況を熟知した上で、LAギャラクシー側の最低1000万ドル(約9億8300万円)という要望に対して300万ドル(約2億9500万円)を提示したとされている。

さらに、ミランの主力選手が軒並みピークを過ぎていることも、金額を抑えるための要因の1つ。ベッカム選手も今年5月で34歳を迎える。ここ数年、世代交代の必要性が叫ばれているミランは、同選手だけに大金をつぎ込むことをなるべく避けたいはずだ。そこで今回のいったんレンタル元復帰、1月に再加入のシナリオが作られたと考えられる。

英紙サンによれば、ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ副会長が「交渉はより活発に行われている。ミランとしては、ベッカムが6月30日まで残ってくれることを望む」と語ったように、交渉はミランペースで進んでいると考えるのが妥当だ。

現在、イタリア・セリエAで3位につけるミラン、すでに今季のUEFA杯を敗退し、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得に向けてリーグ戦に集中して結果を出したいところ。ベッカム選手も、来年のワールドカップ南アフリカ大会で活躍するため、今季ミランで結果を残して来年の冬につなげたいだろう。

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