「演劇界の鬼才」が観た岸部一徳と風間杜夫の“女装趣味トーク”。

2009/02/23 11:18 Written by Narinari.com編集部

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「演劇界の鬼才」ことケラリーノ・サンドロヴィッチが、ブログで岸部一徳と風間杜夫の“女装趣味トーク”について語っている。……といっても、岸部一徳と風間杜夫に女装趣味があるわけではなく。フジテレビ系ドラマ「ありふれた奇跡」で、2人が女装趣味について語り合っているシーンを見て、脚本家という立場から、何やら感じるものがあったようだ。

ケラリーノ・サンドロヴィッチは、基本的にテレビを観ない生活を送っているが、ここのところ遅い夕食をとりながら、いくつかの連続ドラマをチラリと観るクセがついたという。あくまでもチラリと観る程度なので、ストーリーの全容は把握せずに、断片的に観ているだけなのだが、あるとき目に止まったのが件のシーンだった。

風間杜夫「私の人生から女装をとってしまったら、もう何にも残りません!」
岸部一徳「そんなことはないでしょう」

そんなやり取りを見て、「一体全体どういうドラマなんだこれは。二人に何が起こっているのだろう」と感じたそうだ。ストーリーの前後を把握せずにいきなりこのシーンを観たら、ベテラン2人が繰り広げる女装についての会話は、誰だって不思議に思う。

「途中から参加した視聴者として戸惑うのは、『笑っていいのかどうか』だ」。コメディ作品なのか、シリアス作品なのか、どのような流れでこの会話に至っているのかが分からない以上、確かに“笑いどころ”かどうかの判別は難しい。「山田太一先生の世代の方々の書くホンは皆様1シーンが長めなので、いつまでもいつまでも女装について話しているのを観せられるわけで、なんというか、見方によっては猛烈に可笑しい」と、笑えてしまう理由を説明している。

そこでふと思ったのは「まったく同じ台本を新人の作家が書いたとしたら、風間さんと岸部さんは、その仕事を受けるだろうか?」ということ。大御所の山田太一と新人の脚本家、たとえ全く同じ台本だったとしても、セリフの重みは全く異なることに改めて気付かされたようで、「山田先生の台詞は、やっぱりこう、なんか、すごい」と、大御所の大御所たる所以を感じたという。

ちなみに岸部一徳は「ありふれた奇跡」公式サイトのインタビューで、自身の女装について「いや〜、見れたものじゃないですね(笑)。風間さんはとてもおきれいで『お似合いですよ』と話していたんですけど、僕は…ねぇ(笑)」と自虐的に語り、「女装する前はどんな風になるのか想像がつかなくて気になってましたが、実際にしてみるととんでもなく驚くわけでもなく、気持ち悪くもなく、むしろ気持ちいいなという感情がありました(笑)」と、最後には女装が“気持ちいい”とまで感じたことを告白している。

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