3月に開催される第2回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）へ向け、1月5日に神戸市のスカイマークスタジアムで松坂大輔投手（レッドソックス）との合同自主トレを実施したイチロー外野手（マリナーズ）。日本最高の投手を相手にした打撃練習に日本最高の打者も燃え上がったようで、「テンション、ガチ上がりでしたね」と興奮を隠し切れない様子だった。主軸を務める2人が、モチベーションでも日本代表を牽引してくれそうだ。

こうして第2回WBCへ意欲をみせるイチロー選手だが、9年目を迎える米大リーグでは張本勲氏の持つ日本球界最多通算安打（3085本）をはじめ、今季も多くの記録更新が期待されている。その中でも本人が「ライフワーク」と公言しているのが、大リーグのルーキーイヤーから続けている年間200安打だ。昨年9月17日のロイヤルズ戦で放った内野安打で達成した8年連続200安打は、1894〜1901年のウィリー・キラー氏以来の快挙。今季も達成すれば、108年ぶりの記録更新となる。

そんなイチロー選手の8年連続200安打記念ボールが、大リーグ公式サイトのオークションに出品されていると日本のスポーツ紙が報じた。入札を開始したのは2月2日だが、約4日を経た現在も開始額の75ドル（約6900円）のまま。同紙は「同サイトは8年連続200安打が大リーグタイ記録だとはなぜか気付いてない」ため、掘り出し物になるかもしれないとしていた。

ところが、オークションの説明を見ると、「2008年9月17日のシアトル・マリナーズ対カンザスシティ・ロイヤルズ戦で使用されたボール。この試合でイチロー・スズキは年間200安打を達成した。これは8年連続200安打以上の大リーグ記録だった」となっており、このボールがイチロー選手の記録達成時に使用したものとは述べていない。それどころか、説明文の下部には「これは記念球ではない」と明記している。

どうやら、これはイチロー選手が記録達成した試合で使われただけのボールで、スポーツ紙の勘違いだったようだ。報道を受けて入札を予定している人は、再考したほうがよいかもしれない。ちなみにこのボールを落札した場合、日本への送料は50ドル（約4600円）となっている。