星新一に酷似で? TV番組発の芋洗坂係長の絵本は内容変更も好評。

2009/02/05 05:10 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨年9月15日にフジテレビの深夜番組として放送され、2月2日の深夜にも再放送された「印税スター誕生」。自分の本を出したい芸能人が、出版社の編集者10人を前に「出版したい本の内容」のプレゼンを行い、編集者が本を作りたいと思えば札を挙げて“出版成立”となる……というコンセプトの番組だ。大沢あかね、はるな愛、芋洗坂係長、安田大サーカスのクロちゃんが参加し、クロちゃんを除く3人が見事に編集者の心を射止め、出版へとこぎつけることになった。

そんな3人の“出版成立”の中で、司会の内藤剛志、武田祐子アナ、コメンテーターの室井佑月、各編集者が最も引き込まれていたのが、芋洗坂係長の作品だった。離婚してからも応援を続けてくれる息子の為に、そして「希望の見えない世の中で、これを読んで何か明るさや暖かさに触れてもらえたら」と、芋洗坂係長が語った作品の大まかなストーリーはこうだ。

サンタクロースが“一つだけ何でも願いが叶う魔法の箱”を持って事故に遭った子供のもとに向かうが、子供には「いらないから事故を起こしたお兄ちゃんにあげて」と断られてしまう。次にサンタクロースはお兄さんのところへ向かうも、お兄さんからも「いらないからほかの人へ」とやはり断られる。そうこうして街中をぐるぐる周るサンタクロースが最後にやってきたのは、偏屈で頑固なおじいさんのところ。そのおじいさんは「何でも叶うなら目いっぱい金をくれ」と言い、そして「その金で子供たちにプレゼントを配ってやってくれ」と。

プレゼンを聞いた編集者たちは、芋洗坂係長が趣味でやっているという切り絵で表現されたサンタクロースとともに、「芋洗坂係長の心の温かさがよく出ている」とストーリーを絶賛。出版不況でなかなか本が売れない現状で、目標1万部の採算ラインはどうしても考えるとしながらも、「本来は我々はこういう本を出版していかなくてはならない」との発言も飛び出し、結果、扶桑社と学研が名乗りを挙げ、話し合いの末に扶桑社から出版されることになった。

そして2月3日、扶桑社から「みならい天使のさんたろう」が発売された。ところが、この絵本のタイトル、番組でプレゼンされた時には「さむがりやのサンタクロース」で、発売されたものとは異なる。なぜ、変更されてしまったのだろうか。


実は番組の放送後、「さむがりやのサンタクロース」の内容が星新一氏の作品「未来いそっぷ」に収められている「ある夜の物語」に酷似しているとの指摘があったそうだ。芋洗坂係長はブログの中で「スタッフの方が調べてくれるまでは自分の勉強不足で星新一さんの作品は全く存じ上げませんでした」「でも、知らなかったとはいえ後から作った方が盗作だと言われてしまうのは当然のことなのですぐにキャラも内容も変更したのです」と説明している。

しかし、すでに絵本を購入したというファンからは、変更後の作品についても好評のコメントが寄せられている。果たして目標とする1万部を売上げ、本人の目指す第二作目が生まれるのかどうか、楽しみなところだ。

ちなみに大沢あかねは、小さい頃から憧れていた芸能界で活躍することを夢見て、女手一つで育ててくれた母親と共に苦労した生活などを中心に、これまでの人生を綴った「母ひとり、娘ひとり」を2月2日に幻冬舎から発売、はるな愛は中学生時代に受けたいじめや、性転換に至る心の動きを素直に綴った「はるな愛 自伝」(仮)を講談社から3月10日に発売する。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.