若い男性はテレビを見るとうつ病になりやすい? 米研究で報告。

2009/02/03 23:52 Written by コジマ

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1935年にドイツで世界初の定期試験放送が開始されて以来、瞬く間に主要メディアの地位を勝ち取ったテレビ。日本でも58年の東京タワー竣工と59年の皇太子明仁親王(今上天皇)成婚の中継をきっかけとして爆発的に普及し、洗濯機や冷蔵庫とともに「三種の神器」と呼ばれた。

近年はインターネットの普及によりその地位が脅かされているが、現在もニュースにドラマ、バラエティーとテレビを愛する人は少なくない。

こうした中で、思春期にテレビを見るとうつ病になりやすいとの調査結果が米ピッツバーグ大の研究により明らかになった。医学誌「Archives of General Psychiatry」に掲載されたこの研究によると、その傾向は女性よりも男性で顕著だったという。

研究に当たったピッツバーグ大医学部のブライアン・プリマック博士らは、DVDやインターネットが普及していなかった95年、うつ症状のなかった10歳代の男女4142人(女性47.5%、白人67.0%)を対象にテレビやラジオ、テレビゲームなど電子メディアに接する時間を調査。すると、1日の総接触時間は平均5.68時間で、テレビが2.3時間、ラジオが2.34時間、ビデオが0.62時間、テレビゲームが0.41時間だった。

プリマック博士らはさらに、対象者の平均年齢が21.8歳となった7年後に再調査を実施。このときは電子メディアとの接触時間ではなく、「National Longitudinal Survey of Adolescent Health(Add Health)」と呼ばれる評価法を用いて対象者がうつ病か否かを検討した。

その結果、4142人中308人がうつ病と評価され、1日当たりテレビ視聴が1時間単位で増加するごとにうつ病リスクが1.08倍上昇することが分かった。また、全電子メディアとの接触で見ても1時間増えるごとに1.05倍上昇したが、ラジオ、ビデオ、テレビゲーム単独との関連性は認められなかったという。さらに、これを男女別で見ると女性のリスクは0.93倍、男性で高い傾向にあった。

プリマック博士らは「メディアとの接触と精神症状が関連付けられているが、うつ病との関係はほとんど調査されていなかった」と研究の意義を説明。上記の結果から「思春期におけるテレビや全電子メディアとの接触が青年期、特に男性のうつ病発症のリスク上昇と関連付けられる」と結論している。

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