娘の美容整形費用捻出のため母が自宅売却、英国で賛否両論。

2009/01/31 21:38 Written by コジマ

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米国美容外科学会によると、2007年に米国で美容整形手術を受けた人の数は約1170万件にものぼり、過去10年間で5.5倍も増加した。また、日本でも「プチ整形」と呼ばれる大がかりな手術を必要としない美容整形が人気となっており、世界的にも美容整形を求める人は増加傾向にあるという。

美容整形には問題点や反感が少なくないが、「キレイになって自信を持てる」などさまざまなプラス効果も報告されている。その一方で、ネックとなるのが手術費用だ。当然ながら健康保険適用外のため、大がかりな手術ともなれば数百万円を要求されることも珍しくない。

こうした中で、娘の美容整形費用270万円を捻出するため母が自宅を売却したというニュースを英紙デイリー・メールが報じ、同紙電子版のコメント欄には読者から100件以上の声が寄せられ賛否両論が展開されている。

美容整形手術を受けたのは、英チェシャー州に住むサリー・スパティッチアさん。警備員として働く独身の34歳だ。サリーさんは、学生時代にいじめを受けたストレスから食事量が増えて体重もみるみる増加した。最終的には18ストーン9ポンド(約118キロ)にもなったという。

そこでサリーさんは、20代後半だった02年に催眠療法を受けて3ストーン(約19キロ)の減量に成功。さらにジム通いを続け8カ月で4ストーン(約25キロ)落とし、ダイエットを終える頃には10ストーン7ポンド(約67キロ)まで戻った。

ところが、急激な減量によりサリーさんの皮膚はたるみ、「しぼんだ風船」のような状態に。腕の皮膚を隠すため長袖のシャツしか着られず、おなかの皮膚はズボンの中に押し込んでいたそうだ。サリーさんはこの時を振り返り、「せっかく減量したのに、太っていた頃のほうが自信が持てた」と語っている。

そんな失意のサリーさんを見かねて、看護師の母マレーネさんは娘に皮膚のたるみを取る美容整形手術を受けさせようと自宅の売却を決意。マレーネさんはサリーさんに反対されるのを見越して、自宅が売り出されるまで内緒にしていたという。

4つの部屋を備えた自宅は28万ポンド(約3700万円)で売れ、サリーさんは05〜08年にかけて総費用2万1000ポンド(約270万円)の手術を受けることができた。皮膚のたるみが取れた現在は「生まれて初めて自分がセクシーだと感じることができた」そうで、パーティードレスとハイヒールを購入したこと、昨夏に旅行先のトルコで生まれて初めてビキニを着たことなどを嬉しそうに語っている。


さらにサリーさんは、手術費用を捻出してくれたマレーネさんに対して「私の夢をかなえてくれた世界で最高のお母さん。いくら感謝しても足りない。すべてに対し感謝できるママがいることを誇りに思う」とコメント。サリーさん母娘は残りの資金でより小さな家を購入し、そこに住んでいるようだ。

このニュースに対し、読者からは「彼女のママは称賛に値する」「サリーと彼女の素晴らしいお母さんにおめでとうと言いたい」「子供に対する母の愛情に勝るものはないね」「ママ、あなたは聖者だ」などマレーネさんを絶賛する声が多数寄せられているが、「美容整形のために家を売るなんてバカだ!」「なんというムダ使い」「娘のほうは現代人を象徴する自分本位な人間だな」といった批判も少なくない。

しかし、その批判に対して「コメントするなら最後まで読みなよ。彼女のママは内緒で売ったんだから、サリーは悪くないでしょ」「誰も借金してないし、双方にとって幸せならいいじゃない」との意見が出るなど、活発な議論が行われている。

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