ストリート・ギャング一掃を願う教師の「奇抜な提案」とは。

2009/01/23 20:55 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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米国の都市部で大きな問題となっているストリート・ギャング。マフィアのように長年かけて組織化された暴力団体は大人が中心ですが、市街地の一角などの比較的狭い範囲で行動するストリート・ギャングは、メンバーの大半が未成年の少年で構成されています。しかし少年たちといっても、銃器の手に入れやすい米国では、凶器を日常的に持ち歩いてはたびたび銃撃事件を引き起こすなど、近隣住民にとっては頭の痛い存在なのです。

そんなストリート・ギャングの問題を抱えている都市のひとつに、フロリダ州のパルム・ビーチに近い、フォート・ピアースという街があります。この街にある中学校の教師ブライス・アーチャー氏は、自分の生徒が危険な場所に暮らしていることが、いつも気がかりなのだそうです。そこで先日、彼はギャング一掃のための“ある提案”を市議会に対して行いました。

コレが一見バカバカしいようで、よく考えてみると効果がありそうな奇抜なアイデアだったのです。

アーチャー氏は、多くのストリート・ギャングのグループ名が、彼らがたむろする通りの名前にあやかっていることに注目。例えば「アベニュー・ディー」というストリートにはそこから名前を取ったギャングが存在します。こうした習慣は、「クール」で「タフ」な感じがするから人気なのだそう。

「じゃあ、ストリートの名前を変えちゃえば。『ほがらか』で『腰くだけ』っぽいストリートの名前にすれば、彼らもやる気がなくなるんじゃないか」

アーチャー氏はそんな提案をしました。そして新しい名前の案として、「チューリップ通り」や「スイセン通り」といった、実にのほほんとした名前を挙げたのです。なんだか一気に日本のアーケード商店街ぽい、可愛らしい雰囲気になるのは間違いありません。

ギャングを沈静化するために警察官を増員するといった方法なら、誰でも考えつきそうなアイデアですが、今回の「通りを改名」するという方法は、角度を変えた面白い「ひらめき」と言えそうです。もちろん、ストリート・ギャングがグループ命名の習慣を変えれば、それまでの話なのですが……。

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