「タンタンの冒険旅行」の主人公はゲイのスパイ? 英紙記者が指摘。

2009/01/11 22:39 Written by コジマ

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1929年の誕生以来、世界中の子供に愛されているベルギー発祥のマンガ「タンタンの冒険旅行」。少年記者のタンタンが相棒の犬・スノーウィとともに世界中を旅して事件に巻き込まれるという物語で、これまでに50以上の言語で翻訳され、シリーズ累計発行部数は2億8000万部以上にのぼる。日本でも古くから親しまれており、千葉銀行のキャラクターに採用されていることでも有名だ。

人形劇やアニメで映像化もされているが、誕生80周年を迎えた現在はスティーブン・スピルバーグ監督率いるドリームワークスがフルデジタル3Dアニメーションでの映画3部作を製作中。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで知られるピーター・ジャクソン監督とタッグを組んでおり、第1作の公開は2010年に予定されている。

そんな同作の主人公タンタンが同性愛者ではないかと、英紙タイムズのコラムニスト、マシュー・パリス氏が分析して話題を呼んでいる。同氏は、タンタンに「スパイ容疑」もかけているようだ。

パリス氏は、英外務省での勤務を経て1979〜86年に英保守党議員を務めた人物。政治や旅行関連、自叙伝など著作も多く、04年には政治に関する優れた著作に与えられる「オーウェル賞」を受賞した。88年からタイムズ紙に寄稿しており、現在は週に2回コラムを執筆している。

自身も同性愛者であることを公言しているパリス氏は、タンタンの人物像を「両親や家族について語らず、その存在を否定するかのようだ」と指摘。「こうした行動は若い男性の同性愛者で多く見かけられると、心理学者も認めている」と分析した。また、第1作「タンタン ソビエトへ」で教会のプロパガンダのために旧ソ連を訪れその政治思想(ボルシェビズム)の恐怖を訴えているが、「早期の高教会派との関係は、若い男性の同性愛者の間であまりにも一般的」としている。

さらに、親友であるハドック船長をはじめ登場人物のほとんどが男性である点も、タンタンの「同性愛者疑惑」をいっそう強めているという。実際、作品に登場する約350人のうち、女性と確認できるのはわずか8人(約2%)だったそうだ。

とはいえ、タンタンは14〜17歳の少年で、作品も子供向け。作者であるエルジェは、旅先でのロマンスをあえて描かなかっただけかもしれない。

その一方でパリス氏は、タンタンが新聞記者にもかかわらず記事を書いている描写がほとんどないことから、スパイではないかとの疑惑も提言した。タンタンのこうした行動はファンを大いに当惑させたというが、同氏はこのスパイ疑惑すらも同性愛に結び付け、「英情報機関の友人も、“秘密の知性”が男性同性愛者を常にひきつける事実を認めるだろう」としている。

相棒のスノーウィについては、「しばしばメス犬に注意を奪われる」ことから「間違いなく異性愛者」と断定。いつもタンタンに恋路を邪魔されているため、「かわいそうなスノーウィ。哀れなほどストレート(異性愛者)で、男性同性愛者(タンタン)のワナにかけられている」との同情を寄せた。

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