宝くじ購入直後に死亡も、「大当たり」で家族に10億円の当選金。

2009/01/05 16:27 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


アラニス・モリセットの「アイロニック」という歌は、いわゆる人生に起こる色々な皮肉を綴っています。「結婚式に雨が降った」「すでに予定から遅れているのに、さらに交通渋滞」「ワインのグラスにハエが飛び込んできて」「夢の王子様に出会えたと思ったら、もう彼には奥さんが……」といった感じの歌詞なのですが、この冒頭に出てくるのが、「98歳の男性が宝くじに大当たりしたのに、翌日亡くなってしまった」というストーリー。なんともお気の毒なストーリーですが、こうした悲劇も平気で歌ってしまうのがアラニス・モリセットの魅力なのかもしれません。

さて、今回ご紹介するストーリーは、ミュージックについての話題ではありません。実は前出の歌そのままの出来事が、昨年、米コネチカット州で起きたというニュースなのです。

同州にお住まいだったドナルド・ピーターさんは、過去20年間に渡り、奥さんのシャーロットさんと共に毎週宝くじのチケットを買い続けていました。昨年11月1日も近所のセブン-イレブンに出かけ、いつものように10週間分のチケットをまとめ買いして帰宅。その後、庭仕事をしようと外に出たところ、心臓発作で倒れてしまい、そのまま帰らぬ人になってしまったのです。79歳という、それなりのご高齢だったとはいえ、それまでは健康だったドナルドさんの突然の死に、家族が大きなショックを受けたことは言うまでもありません。

しかし、その後もうひとつの驚きがシャーロットさんのもとに訪れたのです。例のまとめ買いしたチケットの12月2日分が、なんとジャックポットに大当たり。日本円にして約10億円の当選となりました。

「買い物先のスーパーでチケットの番号をチェックしてもらったら、『当選していますよ』と、言われて……。でも、その時は金額がわからなかったわ」

というシャーロットさん。実際にチケット自体も、ご主人が亡くなった時の悲しみからほとんど忘れかけていたそうですから、この当選は本当にビックリ。とりあえず、今はこの当選金で何をするかを決める心の余裕はないけれど、じっくり使い道を考えたいとのことです。

生前のドナルドさんをよく知る人々は、彼はこういった人生の皮肉が大好きな、とても穏やかな人物だった口々に語り、

「きっと天国でも『どうせ、こうなると思っていたよ!』って、笑っているんじゃないかぁ」

と、彼のことを思い出しつつ、懐かしさと、悲しさとが入り交じった、複雑な笑顔を見せているそうです。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.