元新庄通訳が期待する将来の日本人大リーガーは? 田沢にも言及。

2008/12/16 18:59 Written by コジマ

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米大リーグの日本人選手第1号である村上雅則氏から31年を経た1995年に野茂英雄氏が渡米して以来、毎年日本人選手がメジャーへ挑戦している。00年までは投手のみだったが、01年にイチロー外野手(シアトル・マリナーズ)と新庄剛志氏が打者として初めての日本人大リーガーとなった。

イチロー選手は日本球界での実績そのまま、現在に至るまでさまざまなメジャー記録を塗り替えているが、4番打者出場、満塁本塁打、ワールドシリーズ出場&初安打の日本人選手メジャー初記録を手にしたのは新庄氏。移籍初年の捕殺数はイチロー選手(8個)をしのぐ12個を記録し、両リーグ最多捕殺の新人外野手にもなっている。

そんな新庄氏の通訳を2年目から務めた小島克典氏が、大リーグ日本語公式サイトに対して日本人が大リーグ成功するために必要な要素や、将来大リーグで活躍しそうな選手について語っている。また、日本のプロ球界を経ずにボストン・レッドソックスへ入団する田沢純一投手についても言及した。

小島氏は、96年アトランタ五輪で日本代表チームの通訳を務め、横浜のスタッフを経て02年に渡米。ジャイアンツとニューヨーク・メッツで新庄氏の通訳を務めながら経営を学び、04年にライブドアがプロ野球新規参入を計画した際には球団GMに指名された。現在はコンサルタント会社スポーツワークスを設立し、立命館大の客員教授も務めている。

そんな小島氏が考える日本人選手が大リーグで成功する秘訣は「スピード」。これは攻走守や投球などプレーはもちろん、新環境への適応や気持ちを切り替えなどのメンタル面、さらにはケガや不調からの回復も含めての「スピード」だという。その「スピード」すべてを兼ね備えているといえばイチロー選手が真っ先に挙げられるが、気難しいバリー・ボンズに気に入られ、マイナーでの厳しい生活にも笑顔を絶やさなかった新庄選手は特にメンタル面での「スピード」優れていたようだ。ちなみに、新庄選手はほとんど英語が話せないにもかかわらず、メジャーでもマイナーでも通訳を介さずに他の選手とじゃれあっていたとのこと。

こうした面を含め、将来大リーグで活躍しそうな日本人選手として、オリックスの坂口智隆外野手とヤクルトの石川雅規投手の2人を挙げている。小島氏は、坂口選手の長打力とスピードを兼ね備えている点、石川投手の制球力が高くゲーム展開にスピード感を抱かせる点を推薦理由とした。両選手の今季成績は、坂口選手が打率.278、2本塁打、32打点、13盗塁で、守備ではゴールデングラブ賞を獲得。石川投手は12勝10敗、防御率2.68、112奪三振で、最優秀防御率とゴールデングラブ賞のタイトルを獲得している。

また、田沢投手については早い段階で日本のあるスカウトから良い投手であることを聞いていたそうで、「開幕25人枠に入れるほどメジャーは甘くない」(MAJOR.JPより)としつつも「マイナーで段階を踏んだ後にメジャーの舞台で長く活躍した選手は大家友和投手(クリーブランド・インディアンス)くらいなので、彼に続く存在になってほしい」(同サイトより)と期待している。田沢投手の入団を巡る日米間の問題に関しては、「メジャー・マイナーに挑戦する選択肢が増えたことは、ベースボールビジネスの活性そのものだと思います」(同サイトより)とポジティブに捉えているようだ。

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