現役漫画家が「このマンガがすごい!」に苦言、自選ベスト11も発表。

2008/12/09 21:37 Written by コジマ

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マンガに造詣の深い著名人や専門家らが選考する宝島社の「このマンガがすごい!」。すでに話題になっている作品はもちろん、まだ世の中に浸透していない名作が選ばれることもあり、このランキングによってブレイクした作品は少なくない。面白いマンガを探している人にとって、1つの指標になっている。

そんな「このマンガがすごい!」の2009年版が先日発売され、オトコ編で中村光の「聖☆おにいさん」(講談社)、オンナ編で小玉ユキの「坂道のアポロン」(小学館)がそれぞれ1位に輝いた。このランキングが発表されるや否やネットでは賛否両論が飛び交っているが、そんな「このマンガがすごい!2009」に対し、現在「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で「マイティ・ハート」を連載中の漫画家、マツリセイシロウ氏が自身のブログで言及。「どれも通好みなセレクションな上に、なんかちょっとオシャレ臭するじゃないですか。リア充(実生活が充実している人)っぽい」と苦言を呈している。

このランキングについては、巨大掲示板「2ちゃんねる」では「こういう本は色々参考になるから便利」や「予想通り」といった声のほか、「こういうのってわざとマイナーなのあげてんの?」「なんというかオサレ(おしゃれ)漫画みたいなのが多いな」「こういうランキングは『通』気取りになりがちで信用できん」などの意見も寄せられている。

こうした声を受けてかどうかは知らないが、マツリ氏は12月6日のエントリーで「しかし異論が集まりそうなランキングだな…いや、どれもすばらしい作品ばかりなのは間違いないですけど」としたうえで、「どれも通好みなセレクションな上に、なんかちょっとオシャレ臭するじゃないですか。リア充っぽいなんかー文系女子の本棚みたいでーー男汁不足なんですけどぉーみたいなね」とセレクションを批判。さらに「そもそもマンガに順位付ける意味がわからない。面白さに上下はないじゃない」とランキングそのものを否定した。

その一方で、自身が選ぶ「今年の好きマンガ」11冊も発表している。そのリストは以下のとおり。

「ノノノノ」岡本倫(集英社)
「GIANT KILLING」原作:綱本将也、作画:ツジトモ(講談社)
「刻刻[KOKKOKU]」堀尾省太(講談社)
「よんでますよ、アザゼルさん」久保保久(講談社)
「惑星のさみだれ」水上悟志(少年画報社)
「それでも町は廻っている」石黒正数(少年画報社)
「お茶にごす。」西森博之(小学館)
「神のみぞ知るセカイ」若木民喜(小学館)
「ヴィンランドサガ」幸村誠(講談社)
「MAEBARI美少女決戦!イマジネ・バナー」瀬菜モナコ (秋田書店)
「ささめきこと」いけだたかし(メディアファクトリー)
※順不同

「GIANT KILLING」は「このマンガがすごい!2009」でもオトコ編の3位に入っているが、そのほかはすべて違う作品を選択。また、自身が連載している「週刊チャンピオン」掲載作品については「全部面白いのであえて選びません!!」、「週刊少年ジャンプ」(集英社)や「週刊少年マガジン」(講談社)の連載作品も「毎週読んでるけど選べないのですみません!!」とし、最後は「超爆売れてる人には冷たい態度をとっていきます!! もちろんヒガミですがそれが何か!!??」とつづっている。

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