日本の「Yahoo!オークション」をはじめ世界でネットオークションが流行中だが、その中でも最大なのが米国の「eBay」だ。通常の商品はもちろん、有名人とのデート権や映画の出演権、自分の名前などありとあらゆるものが出品されており、今年9月には学費ローンの返済のため女子大生が自分の「処女」を競売にかけて物議をかもした。

そんなeBayに、またもや驚くようなものが出品されている。今回は、オーストラリア海軍で実際に使用されていた潜水艦だ。動力は原子力ではなくディーゼルエンジンで、21インチ魚雷を武装しているという。490万豪ドル（約3億円）からスタートしている。

この潜水艦は、第2次大戦後に英国海軍で生産されたオベロン級の中でもオーストラリア海軍に輸出された「HMASオタマ」。2000年代初頭に退役し、博物館に展示されていたものだ。排水量は2010トンで、最高速度は17ノット（約時速31.4キロ）、魚雷発射口は6門装備しており、20本の魚雷を搭載しているとのこと。現役時代は、8人の士官と56人の下士官らによって運航されていたようだ。

出品者は「submarine4sale」と名乗る人物で、その名のとおりこれまでも潜水艦が刻印されたコインや、ビートルズの写真や「イエローサブマリン」の歌詞が刻印された羅針盤などを出品していたが、本物の潜水艦を競売にかけるのは初めての模様。

同級の潜水艦は90年の湾岸戦争でも活躍しているとのことで、軍事マニアにとって垂涎の“アイテム”だが、11月21日のオークション開始以来、入札者はゼロの状態。3億円という値段に加え、管理や運航のコストや手間がかかる点が二の足を踏ませているようだ。オークション終了は、12月19日の午後3時39分34秒となっている。