NYタイムズのA・ジョリー批判に読者落胆「まるでゴシップ紙のようだ」。

2008/11/22 16:53 Written by コジマ

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1851年、AP通信の創設者でもあるヘンリー・レイモンド氏らによって創刊された米紙ニューヨーク・タイムズ。厳密には全国紙でないながら、全米の読者を対象としたUSAトゥデイ紙とウォールストリート・ジャーナル紙に次ぐ発行部数を誇り、米国を代表する高級紙として位置づけられている。

そのニューヨーク・タイムズが11月21日付の紙面(1面)で、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーについての批判記事を掲載。堅い内容で信頼を得ている同紙としては異例の記事のため、読者からは「まるでゴシップ紙のようだ」など落胆の声が寄せられた。

アンジェリーナ・ジョリーは、今夏出産した双子の写真撮影や夫ブラッド・ピットとのインタビューの独占権を米週刊誌ピープルに推定1400万ドル(約13億4000万円)で売却したとされているが、ニューヨーク・タイムズ紙はその契約の際に「今後、アンジェリーナ・ジョリーとその家族について否定的な報道をしない」という条件を飲ませたという、関係者2人の証言を紹介。またピープル誌に対し、インタビューで夫妻の慈善活動について質問を行うことや「Brangelina(ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーを指す造語)」の使用禁止も約束させたとしている。

さらに同紙は、アンジェリーナ・ジョリーがかつてはナイフ収集を趣味にしていた「元ハリウッドの変人」「元野蛮人」とし(ゴシップ紙などには10代の頃に交際相手とナイフで傷付け合いながら性行為をしていたと報じられている)、東南アジアやアフリカから養子を迎えたこと、国連難民高等弁務官事務所親善大使に任命されるほど慈善活動に打ち込んでいることを、「以前のイメージを払拭するために利用している」とする関係者の証言も掲載。また、パパラッチに撮影させるための機会を自ら準備するなど、「篤志家」の印象を売り込むイメージ戦略に長けた人物との評を下した。

こうした記事の内容に対し、同紙電子版にある読者コメント欄には「ニューヨーク・タイムズに何が起こったのか。評判の良い新聞だったのに、これでは思慮の足りないバカを満足させるタブロイド紙と変わらないではないか」との落胆の声が寄せられている。

また、「ピープル誌の編集介入は注目に値しないだろう。同誌を報道機関と混同しているんじゃないの?」「野蛮人だったから何? この9年で彼女は成長した。いいことじゃないか」といった内容に関する批判や、民主党支持論調の同紙に対する「ニューヨーク・タイムズも(民主党の)バラク・オバマ次期大統領と同じような取り引きをしてるじゃない」という鋭い指摘、「ありがとう。この記事を見て、ブラッド・ピットがジャーナリズムを勉強していた学校を中退したことが正しい選択だと分かった」などの辛らつなコメントも散見される。

米国内の他紙同様、近年は600億円を超える巨額の赤字を出すなど厳しい経営状態の同紙。投資ファンド2社による買収攻勢で人事刷新なども迫られているが、ゴシップ紙のような記事を1面で報じたことにより、読者離れを促進してしまったようだ。

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