プロ野球ドラフト、注目の大田泰示選手は巨人が交渉権獲得。

2008/10/30 15:34 Written by コジマ

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1965年の開始以来、さまざまな変遷を遂げてきたプロ野球のドラフト会議。特に、多くの問題を発生させた有力選手が希望球団に入団できる制度は、93年導入の「逆指名」から01年に「自由獲得枠」、05年に「希望入団枠」と名称が改められながらも残り続けてきたが、西武の裏金問題で昨年に撤廃。さらに今年は、4年ぶりに高校生と大学生・社会人を一括して行われることとなった。

分離開催ならば将来性のある高校生、即戦力の大学生・社会人でそれぞれ有力な選手が指名できたが、一括開催によってどちらかに絞らなくてはならなくなった。しかし、抽選で外れても有力選手が残っている可能性が高いため、抽選結果による有利不利の差が縮むという利点もある。

さて、今年は昨年の中田翔外野手(日本ハム)や佐藤由規投手(現由規、ヤクルト)らのような超目玉選手がおらず、東浜巨投手(沖縄尚学高)や坂口真規内野手(智弁和歌山高)、上本崇司内野手(広陵高)らが大学進学、岩見優輝投手(亜細亜大)が大阪ガス入り、田沢純一投手(新日本石油ENEOS)が米大リーグへの挑戦を表明して指名を避けたが、有力選手はまだまだ多く、全体的に豊作といわれていた。

その中でも注目は、東海大相模高の大田泰示内野手だ。今夏の甲子園には出場できなかったが、高校通算65本塁打の長打力に加え、打てない球をファールで粘るなどの堅実さ、繊細さを備えた技術はプロのスカウトを魅了。高校の先輩である原辰徳監督の巨人やソフトバンクなど、5球団からの1位指名が予想されていた。

ドラフト会議当日に大田選手を指名したのは巨人とソフトバンクのみで、巨人が抽選を見事に引き当てて交渉権を獲得した。ソフトバンクは、7月の世界大学選手権の日本代表だった近畿大の巽真悟投手を外れ1位で指名。複数球団の指名が予想された注目選手だが、他球団が指名しなかったため大田選手を外しながらも労せず巽投手との交渉権を手中にしている。

また、阪神と競合した早稲田大の松本啓二朗外野手を横浜、楽天と競合した日本通運の野本圭外野手を中日が交渉権を獲得。楽天と阪神は再びNTT西日本の藤原紘通投手で重複し、阪神はさらに外して台湾からの留学生、奈良産大の蕭一傑投手の交渉権を獲得している。

そのほか、西武が日南学園高の中崎雄太投手、オリックスが東海大三高の甲斐拓哉投手、日本ハムが東洋大の大野奨太捕手、ロッテが東京ガスの木村雄太投手を1位指名し、複数球団の競合が予想された宮崎商高の赤川克紀投手はヤクルトのみが1位指名。広島は地元出身の岩本貴裕外野手(亜細亜大)の交渉権を獲得した。

2巡目では、阪神の指名が有力視されていたホンダの長野久義外野手をロッテが指名。阪神は国際武道大の柴田講平外野手の交渉権を獲得した。また、中日は1位指名候補だった岐阜城北高の伊藤準規投手を2位指名、オリックスの上位指名候補だった関西国際大の榊原諒投手を日本ハムが2巡目で指名し、オリックスは同じ大学の伊原正樹投手の交渉権を獲得している。

また、今夏の甲子園を制した大阪桐蔭高の浅村栄斗内野手は西武が3位、今春のセンバツでベスト4に進んだ千葉経大付高の斎藤圭祐投手は巨人が3位、西武が候補に挙げていた報徳学園の近田怜王投手はソフトバンクが3位、早稲田大の上本博紀内野手は阪神が3位で指名。このほかの注目選手は、早稲田大の細山田武史捕手が横浜(4位)、横浜高の土屋健二投手が日本ハム(4位)、東北のイチローこと仙台育英高の橋本到外野手は巨人(4位)にそれぞれ指名された。一方、浦添商高の伊波翔悟投手と山城一樹捕手、聖望学園高の大塚椋司投手らは指名を受けていない。

いずれも将来を嘱望されている選手ばかり。この中から、将来の日本球界を担う大選手が誕生することが期待される。


◎2008年プロ野球ドラフト会議 各球団上位指名選手
【横浜】
1位 松本啓二朗外野手(早稲田大)
2位 藤江均投手(東邦ガス)
3位 山崎憲晴内野手(横浜商大高)
【ヤクルト】
1位 赤川克紀投手(宮崎商高)
2位 八木亮祐投手(享栄高)
3位 中村悠平捕手(福井商高)
【広島】
1位 岩本貴裕外野手(亜細亜大)
2位 中田廉投手(広陵高)
3位 小松剛投手(法政大)
【中日】
1位 野本圭外野手(日本通運)
2位 伊藤準規投手(岐阜城北高)
3位 岩崎恭平内野手(東海大)
【阪神】
× 松本啓二朗外野手(早稲田代)
× 藤原紘通投手(NTT西日本)
1位 蕭一傑投手(奈良産大)
2位 柴田講平外野手(国際武道大)
3位 上本博紀内野手(早稲田大)
【巨人】
1位 大田泰示内野手(東海大相模高)
2位 宮本武文投手(倉敷高)
3位 斎藤圭祐投手(千葉経大付高)
【ソフトバンク】
× 大田泰示内野手(東海大相模高)
1位 巽真悟投手(近畿大)
2位 立岡宗一郎外野手(鎮西高)
3位 近田怜王投手(報徳学園高)
【楽天】
× 野本圭外野手(日本通運)
1位 藤原紘通投手(NTT西日本)
2位 中川大志外野手(桜丘高)
3位 井坂亮平投手(住友金属鹿島)
【ロッテ】
1位 木村雄太投手(東京ガス)
2位 長野久義外野手(ホンダ)
3位 上野大樹投手(東洋大)
【日本ハム】
1位 大野奨太捕手(東洋大)
2位 榊原諒投手(関西国際大)
3位 矢貫俊之投手(三菱ふそう川崎)
【オリックス】
1位 甲斐拓哉投手(東海大三高)
2位 伊原正樹投手(関西国際大)
3位 西勇輝投手(菰野高)
【西武】
1位 中崎雄太投手(日南学園高)
2位 野上亮磨投手(日産自動車)
3位 浅村栄斗内野手(大阪桐蔭高)

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