酒やたばこより依存性低い? 週刊朝日が大麻の違法性に疑問。

2008/10/14 23:57 Written by コジマ

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大相撲の元若ノ鵬に俳優の加勢大周と、ここ2カ月で大麻に絡んだ有名人の逮捕が続いている。元若ノ鵬は日本相撲協会から解雇され、加勢大周は出演ドラマの打ち切りにより多額の損害賠償が請求される可能性もあるようだ。また、逮捕はされなかったものの、大相撲の元露鵬と元白露山も大麻吸引疑惑で解雇となった。

こうした大麻関係での逮捕者は一般人でも増えており、昨年に大麻取締法違反で検挙された人の数は、1997年の1175人から約2倍となる2272人にのぼったという。これらの逮捕者も上記の有名人と同様、人生を棒に振ることになってしまったのだろう。

しかし、そもそもなぜ大麻は「悪」なのか。こうした大麻の違法性について10月14日発売の「週刊朝日」が検証し、専門家などの証言から疑問を提示している。

一般に「大麻」とされているのは、大麻の葉や花、穂を乾燥させた乾燥大麻(マリファナ)と、すりつぶして固形状にした大麻樹脂(ハシシ)など。いずれも、日本の大麻取締法では所持、譲渡、譲り受けで5年以下の懲役、栽培や輸出入は7年以下の懲役と定められている。シンガポール(無期懲役やムチ打ち刑、死刑も)に比べると緩いが、軽犯罪法違反程度になる欧米と比べると厳しいと言えるだろう。

では、なぜ欧米では罰則が比較的軽いのか。それは、嗜好品として認知されている機運が強いだけでなく、その「害」が実証されていないためだという。全米科学アカデミー医学研究所の調査によると、大麻使用者が依存症になったのは9%で、アルコール(15%)やたばこ(32%)と比べてかなり低い数値が出ている。「飲酒と違って、大麻の喫煙では理性的な部分が揺るがない特徴があります」(同誌より)という指摘もあるようだ。

また、たばこと同じように喫煙による慢性的な気管支炎、がん、喘息の原因となる点は否定されていないが、確固たる実証データがなく、専門家の間でもさまざまな意見が飛び交っているのだとか。

そのため、同誌は「わざわざ単独の禁止法まで作って他のアヘンや覚醒剤などと同列に取り締まるほどの悪影響があるのかどうか」「大麻を法律で規制すべきかどうかを、もう一度、正しい情報をもとに吟味する必要があると私は考えます」など、現状に疑問を呈する有識者の意見を紹介している。

とはいえ、現段階で日本では違法であることに変わりない。大麻の「害」が実証されておらず、支持する人がいることから、その違法性について議論されるべきだが、所持や使用などは法律が改正されるまで控えなければ、上記の有名人のように人生を棒に振ることになりそうだ。

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