米メディアが松坂大輔投手の勝利を絶賛「1億ドルの理由示した」。

2008/10/11 21:57 Written by コジマ

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米大リーグのプレーオフが始まり、ア・リーグの優勝決定戦は東地区の首位を争ったタンパベイ・レイズとボストン・レッドソックスの対決となった。その大事な第1戦で先発マウンドを任されたレッドソックスの松坂大輔投手は、7回0/3を無失点で抑える好投で岡島秀樹投手、ジャスティン・マスターソン投手、ジョナサン・パペルボン投手の救援陣につなぎ、チームに貴重な1勝目をもたらしている。

この松坂投手の活躍に対し、米メディアが絶賛の声を寄せた。特に、スポーツ専門局ESPNのジェリー・クラスニック記者は「レッドソックスが1億ドルの移籍金と高額な年俸を支払った理由を示した」「自身の極めて高い能力を証明した」としている。

レギュラーシーズンの松坂投手は、昨季を上回る18勝3敗(リーグ4位)、防御率2.90(同3位)を記録し、不調だったエースのジョシュ・ベケット投手(12勝10敗、防御率4.03)を大きく上回る成績を上げた。今季、チームのプレーオフ進出に最も貢献した投手と言えるだろう。

その一方で、レギュラーシーズン中から問題となっていたのが四球の数だ。今季は昨季より投球回数が少なかったにもかかわらず、与四球数は14個多い94個でリーグトップとなってしまった。これはポストシーズンでも変わらず、今回のレイズ戦でも4つの四球を献上。うち3つは初回に連続で出しており、無安打で2死満塁のピンチを招いている。しかし、そこはレギュラーシーズンで満塁の場面を14度も無安打に抑えた松坂投手、この窮地だけでなく七回に訪れた無死一、三塁のピンチも切り抜けた。

そのため米メディアの各サイトは、松坂投手の写真とともに「Escape Artist(脱出の芸術家)」や、映画「大脱走」とかけた「The Great Escape」の見出しをつけてトップページに掲載。ESPNは、レギュラーシーズンと同様に人々を不安にさせながらも勝利したことについて「松坂は綱渡りや脱出の名人で、イリュージョニスト」とやや揶揄気味に記した後で「そして、いま最も優れた投手の1人だ」と評している。

また、スポーツ専門誌スポーツ・イラストレーテッドのリー・ジェンキンス記者は「松坂は対戦相手だけでなく、チームメイトにも忍耐力のテストを行う。彼が登板すると、レッドソックスは試合時間が3時間半になることを覚悟する。ただし、彼らはそれと同時に完全に勝利することも確信するのだ」とし、今回のレイズ戦についても「松坂は混沌の不確実さを楽しむ、予想外で珍しい達人投手」と評した。

さらに同誌は、チームメイトであるショーン・ケーシー内野手の「彼はシーズンを通してこんな感じだったからね。でも、みんな塁上でアウトになるよ」とのコメントを紹介。ESPNにもデービッド・オルティス内野手の「松坂はピンチを切り抜ける方法を熟知している。彼は決してあきらめないし、降参もしない」という発言が掲載されていることから、チームメイトは松坂投手の四球の多さを気にしていないようだ。

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