東京都町田市議会、政府に「ストリートビュー」の法規制を要請。

2008/10/10 22:34 Written by Narinari.com編集部

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8月に日本で公開されて以来、その便利さや革新性が高く評価される一方で、「プライバシーの侵害ではないか」との批判的な意見も少なくないGoogleマップの「ストリートビュー」機能。Googleは「申し出があれば画像を削除する」という対応を見せてはいるものの、そもそも撮影の段階で周辺住民に許諾を取らない「無断撮影」であったり、私有地に勝手に入っているケースが確認されたりと、いろいろな問題を抱えているのは否めないところだ。

そんな「ストリートビュー」に対し、東京都の町田市議会が動いた。「ストリートビュー」の法規制などを求める「地域安全に関する意見書」を採択し、政府や関係機関に働きかけていくという。

この意見書で問題視しているのは、「ストリートビュー」が被写体となる地域や個人への事前告知や撮影告知、公開許可願いもなくネットに公開していること。そして公開された画像には、民家やその家庭の私物、車、敷地内の様子、通行人や自宅内にいる人の姿などが写り込み、「自動でぼかす」とされた人の顔が判別できるもの、車のナンバー、表札の文字が読み取れるものが少なくないこと。さらに、ネットを利用しない人に対し、自宅などが世界に公開されている現状が周知されていないことなど。

こうしたことから、「空き巣や振り込め詐欺などの犯罪に悪用される危険性がある」「児童生徒の通学路や教育施設などの防犯上の不安を生む」といった声がある、としている。

「地域安全に関する意見書」が求めているのは、次の5点。

・「ストリートビュー」につき国に寄せられた意見の実態調査をはじめ、現状把握に努めること。
・インターネットを利用しない国民に、必要な広報活動を行うこと。
・住居専用地域の公開の適否につき、国民の意見聴取の上、事業者に対する指導を行うこと。
・個人や自宅等を無許可で撮影し、無断で公開する行為につき、都道府県迷惑防止条例上の迷惑行為として加えることを検討すること。
・必要に応じて法整備を行うこと。

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