「妻の名字に改姓」が米夫婦の新しいトレンド? ただし面倒さがネック。

2008/10/06 18:57 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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日本では、夫婦となる間柄の約50組に1組。

夫が妻の名字に改姓するケースのことです。婿養子の場合が多いですが、それ以外にも単に夫婦の戸籍を新設する際に、夫ではなく妻の名字を選んだだけ……という例も珍しくないそうです。

例えば女性が、学者や会社経営者といった社会的地位のある人物で、すでに独身時の名字で人々に知られていた場合。結婚時に名字を変えてしまうと混乱を招きかねません。男性の方が名字を変えても、そう問題が起こらないなら、確かに妻の名字をキープしたほうが便利といえましょう。

ところで米国では、この「夫が結婚時に改姓」がとても珍しいのだそう。米国では夫婦別姓が認められているので、女性が自分の名字をキープしたかったら、夫婦それぞれ別姓にすれば良いだけだからです。改姓の際の手続きも要らないし、面倒なことは一切なし。

でも、ここ数年米国人カップルの間でも、妻の名字を名乗るケースが増えているそうです。さらに面白いのが、改姓を平等にしようとする人もいるようで、夫婦それぞれの名字を合体させて新しい名字とする場合(そのままつなげたり、ハイフンで区切ったり)や、まったく関係ない新しい名字に2人して改姓……なんてことをするカップルなど、いろいろな方法があるとか。

要するに奥さんのことを愛してやまないご主人が、その証明に改姓するらしいのですが、トラディショナルでないために、家族が良い顔をしないことも多いようです。

さらに、改姓するための手続きを、米国では日本のように役所ではなく裁判所に申請するのですが、裁判所でもその方法を熟知している人が少なく、却下されてしまうこともあるそう。弁護士などを立てて法律を説明し、やっと許可されることも。大変ですね。

本当は、法律的には女性でも男性でも改姓に必要な手続きは一緒なので、費用も少なく済むのですが、その事実を知っている職員も少ないという悲しい事実。まあ、そんな難しい状況にあるからこそ、あくまで妻の名前に変えようと努力する夫も出てくるのかもしれません。いわゆる、困難を乗り越えてこそという、愛の証明のために……。

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