K-1魔裟斗勝利であわや暴動、微妙な判定に観客が物投げ入れる。

2008/10/02 23:56 Written by コジマ

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10月1日に行われた格闘技イベント「K-1 WORLD MAX 2008」の世界トーナメントは、妻の矢沢心が見守る中、魔裟斗選手(シルバーウルフ)の優勝で幕を閉じた。魔裟斗選手の優勝は、2003年の第2回大会以来5年ぶり。会見から舌戦を繰り広げていた佐藤嘉洋選手(フルキャスト)を準決勝、前回王者のアンディ・サワー選手(オランダ)を下したアルトゥール・キシェンコ選手(ウクライナ)を決勝でそれぞれ判定で破ったのだが、それぞれダウンを奪われるという薄氷を踏むような優勝だった。

その準決勝、決勝での判定に疑問の声が上がっており、これを不服とした観客席から物が投げ込まれるなど、会場は暴動寸前の状態だったという。今回大会から、ボクシングWBCが導入し評価の高いオープンスコアリングシステム(公開採点制度)が試験導入されたが、新制度でも判定への異議はなくならなかったようだ。

佐藤選手との準決勝では、前日の舌戦を上回る壮絶な打撃戦が展開された。互いに譲らない中、最終ラウンドで佐藤選手の左フックが命中し魔裟斗選手はダウンを喫したが、判定は28-29(佐藤選手)、28-28、28-28の1-0でドロー。これに佐藤選手のファンが納得せず、ペットボトルやペンライトなどがリングへと投げ込まれる事態に。角田信明競技統括プロデューサーがマイクで注意を促すほどだった。延長戦は10-9、10-9、10-9で魔裟斗選手の勝利している。

一方、キシェンコ選手との決勝でも、第2ラウンドで右フックを受けてダウン。しかし、判定は28-28、28-27(魔裟斗選手)、28-28のドローとなり、こちらも延長戦に突入した。これらは、いずれも訂正後(後述)の採点だ。

こうした微妙な判定に、佐藤選手のファンだけでなく多くの人が疑問を抱き、大会終了後には角田プロデューサーが説明会見を開いた。角田プロデューサーは「3ラウンド、魔裟斗選手がダウンした段階では10-8というポイントになります。そのあとに、魔裟斗選手がこのラウンドで、試合内容を挽回したと2名のジャッジが判断しています。よって、10-8のポイントに魔裟斗が挽回したということで佐藤選手から1ポイント引いた9-8ということになります。ただ、ここで魔裟斗が挽回したと判断したジャッジは2名です。この結果を受けますと、29-28で佐藤選手優勢が1名、28-28のドロー判定が2名、よって1-0で延長戦を行なうことになりました」(カミプロドットコムより)と延長戦に至った経緯を説明した。

しかし、マスコミから「K-1ルールブックによると、必ず優勢の選手に10ポイントをつけるということが記されているが、魔裟斗vs佐藤嘉洋戦のジャッジで9-8がついている。これはどういう判断か」と指摘されると、角田プロデューサーは「その表記に関しては、指摘があって変更するというのも恐縮ですが、必ず優勢の選手10にするということは、すぐに訂正したいと思います」と釈明。この件について、カミプロドットコムは「なんとも驚きの電撃ルール変更!」と驚きを隠していない。

魔裟斗選手の判定をめぐっては、準優勝した04年大会でも問題が起きている。このときは角田氏をはじめ審判員が処分された。オープンスコアリングシステムを導入した今大会でも微妙な判定が起きてしまったため、ファンからはK-1の運営姿勢に対しても疑問の声が上がっている。

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