「カクテル系のお酒」が姿を消す? 米国のある州の法律改正余波で。

2008/10/02 20:21 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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毎年、米の「プリンストン・レビュー」という、大学受験情報や模擬試験などを扱う企業が発表している調査ランキングがあります。これは大学の成績といった入試に必要な順位のほか、キャンパス内の雰囲気や学生生活といった「文化」的な分野の順位もはじき出している、ある意味総合的なランキングなのです。

その中でも毎年ニュースに取り上げられるのが「全米1のパーティ好き」と、「学生が最も勉強しない」というカテゴリ。本年度はフロリダ大学が、前年度両ランキングで1位だったウェスト・ヴァージニア州立大学から首位を奪いました。

反対に全米で「もっとも真面目でしらふである」カテゴリでは、ユタ州のブリガム・ヤング大学が選ばれていました。この大学が1位になったのは、その土地柄も深く関係しているようです。なぜならユタ州はもともと、モルモン教徒が開拓した土地であり、今でも同宗教の教えが根強く守られている場所。飲酒や喫煙(さらにカフェインの摂取にいたるまで)を固く禁じているので、学生といえども真面目な人が多いのは当たり前だといえましょう。

さらにユタでは州法にもモルモン教の教えが影響しており、飲酒に関する制限もたくさん存在しています。最近の法律改正では甘いカクテル系のお酒に関する規制が厳しくなり、事実上この種のお酒はユタ州の飲酒店から、姿を消すことになりそうなほどです。

新しい法律では、ジュースのように未成年者でも飲みたくなるような甘い種類のお酒(特にビールと同様のアルコール度数のもの)には、ボトルに同州が定めた注意書きを書くことが義務付けられます。しかしすでにお酒の売り上げがあまり多くない同州のために、特別配慮で新しいパッケージを使用するとなると、製造元のコストがかかりすぎるという問題が。

そのため、今後はユタ州での販売を見合わせるメーカーが増えると見られています。ビールの代わりとしても人気のカクテル飲料ですが、意外なところで手に入るにくくなってしまうのですね。

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