名古屋・大分の大躍進や古豪降格危機、J1大混戦の理由を分析。

2008/10/01 23:57 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


発足から15年の今季、後半戦に入って大混戦の様相を呈しているJ1。第27節終了時点で、1位から7位までが勝点6差でひしめくという近年まれにみる展開は、サッカーファンを熱狂させている。また、J2降格がかかる下位争いも混戦を極めている状態だ。

こうした大混戦ついて、ビジネス情報サイト「DIAMOND online」が分析。チーム数の増加に加え、名古屋と大分の大躍進、磐田と横浜FMの苦戦などが理由に挙げられている。

同サイトが混戦の「最も大きい要素」としているのが、チーム数の増加だ。Jリーグ発足当時の10チームからJ2を合わせて3倍以上となる33チームが存在する現在は、トップ選手の分散によってチーム力が均衡化されており、強豪チームが選手の質を維持するのが難しくなったという。そのため、前年の優勝チームが翌年には下位に転じたり、逆に弱小とされていたチームが優勝争いに加わったりなど、見所が多くなっているようだ。

今季については、その象徴が名古屋、大分の躍進と、磐田、横浜FMの苦戦だ。Jリーグ発足時から1部を守り続けている名古屋だが、03年以降は7〜14位。「万年中位」と揶揄されていた。一方、03年にJ1へ昇格した大分も、8〜14位と成績は思わしくない。そんな2チームが優勝争いに加わっているのだから、J1が盛り上がらないはずがないわけだ。

ともにスター選手が不在といわれている名古屋と大分だが、同サイトはその躍進の理由を、外国人監督のカリスマ性としている。名古屋の「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチ監督は、チームを指揮するのは初のことだったものの選手としての実績は申し分ない。

大分のペリクレス・シャムスカ監督は、ブラジルでは18チームの指揮を執った名監督。シーズン途中で大分の監督に就任した05年には、降格圏から復活し「シャムスカ・マジック」とまで呼ばれるようになった。両監督のカリスマ性は、選手に作戦通りプレーさせるうえで重要だという。スター選手が不在なことも、この場合はプラスに働いているのだろう。

一方、Jリーグ発足時から強豪とされてきた磐田と横浜FMの不振については、明確な理由が示されていない。しかし、この2チームの低迷が今季の混戦を呼び寄せ、さらにはJリーグの盛り上がりを演出するという皮肉な結果になっているようだ。ただ、横浜FMは8位の清水と勝点3差のため、中位で終わる可能性は十分にある。

こうした状況から、同サイトは「もはや今のJリーグは、過去のブランドや強豪というイメージだけでは通用しなくなった。まるで群雄が割拠する『戦国時代』のようである」としている。残り7節は一瞬たりとも目が離せそうにない。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.